カウンセリング

カウンセリング後に落ち込むのはなぜ?気持ちが沈む理由と上手な向き合い方

「カウンセリングを受けたのに、気分がどんよりしてしまって…」
そんな声を聞くことは、実は少なくありません。

こんにちは。夫婦のお悩み相談室のたま先生です。
カウンセリングは、自分の気持ちを整理したり、心を軽くしたりする場所と思われがちですよね。
もちろん、そういう瞬間もあります。でも、カウンセリングのあとに気持ちが沈んでしまうのは、決して珍しいことではないんです

むしろ、落ち込んでしまったというのは、あなたの心がちゃんと動いた証拠かもしれません。
このページでは、なぜそう感じてしまうのか、そしてそんなときにどう向き合えばいいのかを、わかりやすくお話していきます。
落ち込む自分を責めるのではなく、“心の変化”として受けとめるヒントになれば嬉しいです。

カウンセリング後に落ち込むのはなぜ?よくある3つの理由

「話せてスッキリすると思ったのに、逆に気分が重くなった…」
そんなふうに感じたことはありませんか?

実は、カウンセリングのあとに気持ちが沈むのは、自然な反応ともいえるんです。ここでは、よくある3つの理由をご紹介します。

1. 押し込めていた感情に触れてしまったから

日々の生活の中で、私たちは「悲しい」「寂しい」「怒っている」などの感情を無意識に押し込めていることがあります。
カウンセリングでは、そうした感情とあらためて向き合うことになります。

今まで見ないようにしてきた“心の奥”を見つめるのは、とても勇気がいること。そして、そこに触れたことで、一時的に気持ちが落ち込むのはむしろ当然のことなんです。

2. 問題が明確になったことでショックを受ける

カウンセリングを通じて、「本当は何に悩んでいたのか」「どこにモヤモヤの根っこがあるのか」がはっきり見えてくることがあります。
それは大きな前進なのですが、同時に「こんなに深かったんだ」「どうしたらいいか分からない」と感じ、不安や絶望感に襲われることも

気づきが深まることで、一時的に気持ちが重くなる——これも、変化のはじまりに起きやすい反応のひとつです。

3. 話し足りない・整理しきれないまま終わってしまった

「もっと話したかったのに」「うまく伝えられなかった」
そんな心残りがあると、カウンセリングのあとにモヤモヤが残ることもあります。

カウンセリングは限られた時間の中で行われるため、1回でスッキリするとは限りません。むしろ、気づきの途中で終わることで、感情がざわつくこともあるのです。

落ち込むのはカウンセリングの「副作用」?それとも「好転反応」?

「もしかして、カウンセリングが逆効果だったのかな…?」
そんなふうに不安になってしまう方も多いのですが、実は“落ち込む”という反応には、ちゃんと意味があります

ここでは、その落ち込みが“副作用”なのか、それとも“好転反応”なのか、一緒に見ていきましょう。

落ち込みは「心の毒出し」かもしれません

カウンセリングでは、自分でも気づかなかった感情や、奥底にしまい込んでいた思いに触れることがあります。
それによって一時的に気持ちが沈んだり、涙が止まらなくなったりするのは、心が整理されていく過程でよくあることです。

これは、いわば“心の毒出し”。
身体でいうデトックスのように、感情のつまりが解けはじめたサインとも言えるんです。

「副作用」ではなく「好転反応」の可能性が高いです

もちろんすべての落ち込みがポジティブなものとは限りませんが、多くの場合、好転反応としての落ち込みが起きています。

カウンセリングによって、

  • 自分の感情に気づけた
  • 問題の本質が見えはじめた
  • 本音を初めて言葉にできた

そんな「心の変化」が生まれると、一時的に感情が揺れやすくなるのです。
これはむしろ、心が動き出した証拠なんですよ。

こんなときは注意が必要です

一方で、以下のような場合は「相性が合っていない」「進め方に無理がある」など、別の原因があるかもしれません。

  • 毎回のように気分が沈む
  • 数日経っても回復しない
  • 不安や怒りが強くなるばかり
  • カウンセラーに話しづらい、信用できない

そんなときは、遠慮せずカウンセラーに伝えるか、別の相談先を検討しても大丈夫
カウンセリングは、安心して話せることが前提です。

カウンセリング後に落ち込んだときの対処法5選

カウンセリングのあと、なんともいえないモヤモヤや沈んだ気持ちに包まれてしまうこと、ありますよね。
そんなとき、無理に元気になろうとする必要はありません。
まずは心の声にそっと耳を傾けることから始めてみましょう。

ここでは、カウンセリング後に落ち込んだときにおすすめの対処法を5つご紹介します。
どれかひとつでも、あなたに合う方法が見つかればうれしいです。

1. 感情をそのまま受け止めてあげる

「落ち込んでる私ってダメだな…」
そんなふうに思わなくて大丈夫です。
悲しみや不安は、あなたの中に確かにあった大切な感情。
湧き上がってきた気持ちを否定せず、「そう感じてるんだね」と認めてあげることが回復の第一歩です。

2. 静かな時間をあえてつくる

カウンセリングのあとは、心が揺れている状態です。
テレビやSNSから少し離れて、自分だけの静かな時間を過ごしてみてください。

お気に入りの音楽を流す、ハーブティーを飲む、ゆっくりお風呂に入る——
小さなことでいいので、安心できる時間と空間を自分にプレゼントしてあげましょう

3. 気持ちをノートに書き出してみる

言葉にならない感情も、ノートに書くことで少しずつ輪郭が見えてきます。
「今、どんな気持ち?」「なぜそう感じた?」と問いかけながら書くことで、心の整理ができるようになります

きれいにまとめる必要はありません。思ったままを、そのまま綴ってみてくださいね。

4. 信頼できる人に少し話してみる

もし話せそうな相手がいるなら、「ちょっと落ち込んでてね」と打ち明けてみるのもひとつの手です。
ただ聞いてもらえるだけで、気持ちが軽くなることもあります。

誰にも話せない…そんなときは、たま先生のような専門家を頼ってくださっても大丈夫ですよ。

5. 次回のカウンセリングで気持ちを伝えてみる

「カウンセリングのあと、気分が沈んでしまったんです」
その言葉を、次回のカウンセリングでそのまま伝えてみてください。
その感情自体が、立派な“テーマ”になります。

無理して隠す必要はありません。
あなたの“今の気持ち”が大切なんです。

カウンセリングが合わないと感じたときのチェックポイント

「なんとなく話しづらい…」
「毎回終わったあとに、気持ちが重くなるばかり」
そんなふうに感じることが続いているなら、“カウンセリングが合っていない”サインかもしれません。

カウンセリングは、人と人との信頼関係で成り立つもの。
合う・合わないがあって当然なんです。

ここでは、あなたがカウンセリングを続けるべきか、それとも見直すべきかを判断するためのチェックポイントをご紹介します。

1. 話したいことを自由に話せているか?

「こんなこと言ったらどう思われるかな」と毎回気を遣ってしまう場合、
本音を話すことにブレーキがかかってしまいます。

遠慮なく自分の気持ちを出せるかどうかは、カウンセラーとの信頼関係が築けているかの目安になります。

2. 話をきちんと聞いてもらえていると感じるか?

あなたの話にちゃんと耳を傾け、受け止めてくれていると感じますか?
途中で話を遮られたり、否定されたりしていませんか?

カウンセラーとのやりとりの中で「安心して話せる」と感じられることは、とても大切な感覚です。

3. 毎回終わったあと、気持ちが少しでも軽くなっているか?

「落ち込む」のと「消耗する」のは別の感覚です。
一時的な落ち込みなら問題ありませんが、
毎回気力を奪われるような感覚がある場合は、相性が合っていない可能性も。

4. 回を重ねるごとに、何かしらの“気づき”が得られているか?

すぐに状況が変わらなくても、
「そうか、私はこう感じていたんだな」
「なんとなく自分のパターンがわかってきたかも」
そんな小さな気づきがあるなら、心は前に進んでいます。

でも、何回通っても“停滞感”しかない場合は、方法や相手を見直すタイミングかもしれません。

5. 安心して「合わないかもしれない」と伝えられそうか?

本当に信頼できるカウンセラーなら、
「ちょっと違和感があります」
というあなたの声にも、きちんと耳を傾けてくれるはずです。

あなたの気持ちを大事にしてくれる人かどうか、そこが最も大きな判断材料になります。

カウンセリングは意味がある?通い続ける価値とは

「これって本当に意味あるのかな…?」
「通っても何も変わらない気がする…」

そんなふうに感じてしまうこと、ありますよね。特にカウンセリング後に落ち込んでしまったときには、なおさらそう思うかもしれません。

でも、カウンセリングの価値って“目に見えない変化”の中にこそあるんです。

小さな「気づき」が、心の中に種をまいている

カウンセリングは、派手な効果がすぐに現れるものではありません。
けれど、回を重ねるごとに
「そうか、私こんなふうに感じてたんだ」
「こんな言い方をされると私はつらくなるんだ」
といった小さな“気づき”が心の中に積み重なっていきます

それはまるで、見えない場所に優しく種をまいているようなもの。
その種が、ある日ふと芽を出して、あなたの考え方や選び方を少しずつ変えていくんです。

話すことそのものが「自分を大切にする時間」

誰かにじっくり話を聴いてもらう。
自分の気持ちに向き合ってみる。
それだけでも、あなたの心は確実に整っていきます。

カウンセリングは「解決する場所」ではなく、
「自分の声に耳を傾ける場所」でもあるんです。

心がもつれたままだと、自分のことを見失いやすくなります。
でも、話すことで「私はこうしたかったんだな」と、少しずつ自分の輪郭が見えてきます。

変化が見えにくいときは、“感情の流れ”に注目してみて

「前より泣けるようになった」
「誰かに相談しようと思えた」
「相手に“嫌だ”と言えるようになった」
そんな変化は、とても大きな前進です。

目に見える行動の変化だけでなく、
感情の流れが変わってきたかどうかにも、ぜひ目を向けてみてくださいね。

「続けるか、やめるか」迷ったときは…

通い続けるべきかどうか、迷ったときこそ、その迷いをカウンセラーに相談してみてください。
きっと、あなたの悩みに真摯に耳を傾けてくれるはずです。

カウンセリングは、あなたの人生の主役である“あなた”が選んでいいものです。
「なんとなく」でも、「今はまだ」でも。
あなたのペースで向き合うことが、何より大切なんですよ。

まとめ|落ち込みは“心が動いた証”です。焦らず、自分のペースで

カウンセリングを受けたあと、落ち込んでしまうのはつらいことですよね。
でもそれは、あなたの心がちゃんと反応している、前に進もうとしている証でもあります。

私たちの心は、ふとしたきっかけで揺れます。
ときには深く沈んで、「どうしてこんなに苦しいの?」と思ってしまうこともあります。
でも、その揺れの中にこそ、あなたらしさや本当の思いが隠れているんです。

落ち込みが続いて不安なときは、ひとりで抱え込まなくても大丈夫。
カウンセラーや信頼できる人に、「今こんな気持ちです」と伝えてみてください。
それもまた、大切な心のケアのひとつです。

カウンセリングに「正解」や「ゴール」はありません。
焦らず、自分のペースで、少しずつ。
今日より明日、ほんの少しだけでも心が軽くなっていきますように。

もし、誰にも言えない気持ちを抱えていたら、いつでも「たま夫婦のお悩み相談室」に話しにきてくださいね。
あなたの心に、そっと寄り添える場所でありたいと思っています。