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更年期の肩こりが辛い方へ|マッサージで楽にならない理由と東洋医学的対策

「最近、肩こりがひどくてマッサージに行っても、翌日にはもうガチガチに戻っている」

「なんだかイライラして、家族に当たっては自己嫌悪…」

そんなふうに、自分を責めていませんか?

その辛さは、あなたの性格や我慢が足りないせいではありません。

体が「次のステージ」へ進むために、必死にバランスを取ろうとしているサインなのです。

まずは、今のあなたの体がどんな状態なのか、客観的に見てみましょう。

1分でできる簡単なチェックで、心のモヤモヤを「数値」に変えてみませんか?

たま先生

たま先生(中森 万美子)

「中森万美子鍼灸院」院長、「たま お悩み相談室」代表カウンセラー。 東洋医学で体を整え、カウンセリングで心に寄り添う「心身一如」のケアが信条。 FM845パーソナリティ。SNSフォロワー4万人超。著書『40歳からの幸せの法則』。

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目次

いつもの肩こりと違う?その違和感は体が変化しているサイン

「あれ、なんだか今までと違う…」

ふとした瞬間に感じるその違和感は、決して気のせいではありません。

若い頃の肩こりは、寝て起きれば治っていたり、マッサージを受ければしばらく楽だったりしたはずです。でも今はどうでしょう。

まるで肩に重い石が埋め込まれているような感覚や、首筋から頭にかけて常に何かが張り付いているような不快感。

それは、あなたの体がこれまでのやり方では対応しきれない「変化の時期」を迎えていることを教えてくれています。

マッサージに行っても翌日には元通りになるのはなぜ

「せっかくほぐしてもらったのに、一晩寝たらもう元通り」これは、多くの女性が抱える悩みです。

通常、筋肉の凝りは血流を良くしてあげることで和らぎます。

しかし、今のあなたの体で起きているのは、単なる筋肉疲労ではありません。

体の内側、もっと深い部分で「常に緊張しなさい」という指令が出続けている状態なのです。

外側からいくら揉みほぐしても、内側からの指令が止まらない限り、筋肉はまたすぐにギュッと縮こまってしまいます。

これは、マッサージ師さんの腕が悪いわけでも、あなたの体が頑固すぎるわけでもありません。

体の内側で起きている変化に、外側からのケアだけでは追いつかなくなっているだけなのです。

四十肩や五十肩のような痛みが急に増えた理由

洗濯物を干そうと腕を上げた瞬間、ピキッと走る痛み。

ブラジャーのホックを止めるのが辛い。

そんな日常の些細な動作が困難になると、「私、急に老け込んでしまったのかな」とショックを受けますよね。

この痛みは、関節や筋肉の水分量の変化とも関係しています。

年齢を重ねると肌が乾燥するように、体の内側の潤いも少しずつ変化していきます。

関節をスムーズに動かすための潤滑油が減少し、筋肉の柔軟性が低下することで、可動域が狭くなってしまうのです。

「老化」という言葉で片付けてしまうと悲しくなりますが、これは体が省エネモードに切り替わろうとしている過程でもあります。

無理に動かそうとするのではなく、「今は少し油切れしているんだな」と優しく受け止めてあげることが大切です。

湿布や薬に頼り続けることに不安を感じていませんか

頭痛薬や痛み止め、湿布薬。

ポーチの中にこれらが入っていないと不安で外出できない、という方も多いのではないでしょうか。

「痛いのは嫌だから飲むけれど、このまま薬の量が増えていくのは怖い」

「根本的な解決になっていない気がする」

その直感はとても大切です。

痛み止めは、火災報知器の音を一時的に止めるようなもの。

火の元、つまり痛みの原因となっている体のバランスの乱れそのものを整えない限り、またすぐに警報は鳴り響きます。

薬に頼ることが悪いことではありません。辛い時は頼っていいのです。

ただ、「薬で抑え込む」以外の選択肢を体が求めているのかもしれません。

医学的に見る更年期の肩こりと自律神経の関係

「更年期」という言葉を聞くと、ドキッとするかもしれません。

でも、これは病気の名前ではなく、思春期と同じように女性の体が大きく変化する期間のことです。

この時期、体の中ではホルモンバランスの急激な変化が起きています。

更年期がどのように肩こりや不調につながっているのか、医学的な視点から少し紐解いてみましょう。

仕組みがわかれば、「なんだ、私のせいじゃなかったんだ」と安心できるはずです。

女性ホルモンの減少が招く血流パニックとは

女性ホルモンである「エストロゲン」には、血管をしなやかに保ち、血流をスムーズにする働きがあります。

更年期に入り、エストロゲンがゆらぎながら減少していくと、血管のコントロールがうまくいかなくなります。

今までスムーズに流れていた血液が、急に滞ったり、逆に勢いよく流れすぎたり。

いわば、体の中で「血流パニック」が起きている状態です。

肩や首は、重い頭を支えるために常に負担がかかっている場所です。

そこへ来て血流が不安定になると、筋肉に必要な酸素や栄養が届きにくくなり、老廃物も回収されずに溜まってしまいます。

これが、あの「石のような硬さ」の正体の一つです。

自律神経の乱れが筋肉を無意識にロックさせている

ホルモンの指令を出す脳の視床下部は、自律神経のコントロールセンターでもあります。

ホルモンバランスが乱れると、その混乱が隣にある自律神経のセンターにも飛び火してしまいます。

自律神経には、活動モードの「交感神経」と、リラックスモードの「副交感神経」があります。

更年期には、このスイッチの切り替えがうまくいかず、常に「交感神経」が優位になりがちです。

交感神経が優位になると、体は「戦う準備」をします。

無意識のうちに肩に力が入り、歯を食いしばり、全身の筋肉を硬くして身構えてしまうのです。

あなたが意識してリラックスしようとしても、体が勝手に「戦闘モード」を解除してくれない。

これが、寝ても疲れが取れない、肩の力が抜けない大きな理由です。

常に戦闘モードの体が引き起こす緊張とこわばり

想像してみてください。

24時間365日、誰かに見張られているような緊張状態が続いたら、体はどうなるでしょうか。

今のあなたの体は、まさにその状態です。

「リラックスして」と言われても、体がその方法を忘れてしまっているかのように、常に緊張の糸が張り詰めています

この緊張は、首や肩だけでなく、背中や腰、さらには心にまで影響を及ぼします。

些細なことでイライラしたり、不安になったりするのは、体が常に「敵」を警戒しているから。

あなたの性格が変わってしまったわけではなく、自律神経が過剰に防衛反応を示しているだけなのです。

東洋医学で紐解く「性格のせいではない」不調の正体

西洋医学では数値に表れにくい不調も、東洋医学の視点で見ると、はっきりとした理由が見えてきます。

東洋医学では、体の中を「気(き)・血(けつ)・水(すい)」という3つの要素が巡っていると考えます。

更年期の不調は、この巡りが滞ったり、逆流したりすることで起こる「気」のトラブルなのです。

イライラと肩こりはセット?気が上にのぼる気逆の正体

「頭に血が上る」という言葉がありますが、東洋医学ではこれを「気逆(きぎゃく)」と呼びます。

本来、体全体を巡るべきエネルギーである「気」が、コントロールを失って上半身に突き上げてくる状態です。

更年期になると、下半身は冷えているのに、顔や頭だけが熱くなる「冷えのぼせ」を感じることがありますよね。

これは、気が上に溜まってしまっている証拠です。

行き場を失った気が肩や首に充満すると、パンパンに張った風船のように内圧が高まります。

これが、爆発しそうなイライラや、頑固な肩こりを引き起こします。

つまり、あなたのイライラは、体の中でエネルギーが渋滞を起こしているサイン

「私が短気だから」と自分を責める必要は全くありません。

肩が石のように硬いのは古い血が滞るお血のサイン

東洋医学には「不通則痛(通ぜざれば則ち痛む)」という言葉があります。

流れが滞るところに痛みが生じる、という意味です。

更年期特有の血流の悪さは、「お血(おけつ)」と呼ばれる状態を招きます。

サラサラと流れるべき血液が、ドロドロと滞り、古い血として筋肉の中に居座ってしまうのです。

とくに肩や背中は「お血」が溜まりやすい場所です。

古い血が筋肉の繊維にへばりつき、動きを悪くし、コリを固着させます。

刺すような痛みや、夜になると強まる不快感は、このお血が原因であることが多いのです。

これは、体を温めて、新しい血を巡らせてあげることで、ほぐれやすくなっていきます

辛いのは能力不足ではなく体からのSOSだと知ろう

仕事でミスが増えたり、家事が思うように進まなかったり。

そんな時、「昔はもっとできたのに」と落ち込んでいませんか?

あなたの体の中では今、ホルモンバランスの激変、自律神経の混乱、気血の滞りといった、大変な事態が起きています。

いわば、体の中で大規模な工事が行われているようなものです。

工事中の道路でスピードが出せないのと同じで、今のあなたも、以前と同じスピードで走れなくて当たり前なのです。

不調は「能力不足」の証ではなく、「今は少しペースを落として、体のメンテナンスをしてほしい」という、体からの切実なSOSです。

その声に耳を傾けてあげることは、決して甘えではありません。

今すぐ自宅でできる心と体を緩めるセルフケア

原因がわかれば、対策は見えてきます。

難しいトレーニングや、高価な道具は必要ありません。

大切なのは、頑張り続けているあなたの体と心を、優しく「緩める」ことです。

今日からできる、東洋医学の知恵を取り入れたセルフケアをご紹介します。

頑張りすぎないことを自分に許してあげよう

まず一番大切なのは、心のケアです。

「ちゃんとしなきゃ」「私がやらなきゃ」という思いを、少しだけ手放してみませんか。

「ま、いっか」を口癖にする

完璧を目指さず、60点で合格点を出してあげましょう。

辛い時は「辛い」と言葉にする

我慢せずに吐き出すことで、体の中に溜まった「気」を発散できます。

自分を許すことは、自律神経を副交感神経(リラックスモード)に切り替えるための最大のスイッチです。

深呼吸ひとつで自律神経のスイッチを切り替える

呼吸は、私たちが意識的に自律神経にアプローチできる数少ない方法のひとつです。

とくに「吐く息」を意識することで、リラックスしやすい状態へ切り替わりやすくなります。

やり方はシンプルです。

  1. まずは口から息を吐き切る
  2. 鼻からゆっくり息を吸う
  3. 吸う時間の倍の時間をかけて吐く

これを数回繰り返してみてください。

仕事の合間や、イライラした瞬間に取り入れると、肩の力がフッと抜ける感覚を味わえるはずです。

温めるケアで滞った血流を優しく巡らせる

「お血」や「気逆」を解消するには、巡りを良くすることが不可欠です。

特に首や肩周りを温めることで、ロックされた筋肉が緩みやすくなります。

蒸しタオルで首の後ろを温める

首の付け根には、自律神経を整えるツボが集まっています。ここを温めると、全身がリラックスします。

手首・足首を冷やさない

「首」とつく場所は、血管が皮膚の近くを通っています。ここをカバーするだけで、体感温度が変わります。

ぬるめのお湯にゆっくり浸かる

熱すぎるお湯は交感神経を刺激してしまいます。38〜40度のお湯で、じんわりと汗ばむ程度まで温まりましょう。

不安を安心に変えるためにまずは自分の現在地を知ろう

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

「もしかしたら、私の不調も更年期の影響かも」そう感じた方もいらっしゃるかもしれません。

「更年期」と認めるのは、少し怖いことかもしれません。

でも、それは決して「終わり」ではなく、体が新しく生まれ変わるための「準備期間」です。

敵の正体がわかれば対策は驚くほどシンプルになる

暗闇の中で何かにぶつかると怖いですが、電気をつけてそれが何かわかれば、避けて通ることができますよね。

体の不調も同じです。

「なんとなく辛い」「原因がわからない」という状態が、一番不安を大きくさせます

「これはホルモンのせい」「これは自律神経の乱れ」と原因がわかれば、「じゃあ温めよう」「深呼吸しよう」と、具体的な対策が打てるようになります。

敵の正体を知ることは、不安を解消するための第一歩なのです。

1分でできるセルフチェックで体の声を数値化してみよう

今のあなたの辛さは、どのくらいのレベルなのでしょうか。

自分では「まだ大丈夫」と思っていても、体は悲鳴を上げているかもしれません。

逆に、「もうダメだ」と思っていても、意外とシンプルなケアで楽になる段階かもしれません。

まずは、簡単なセルフチェックで、ご自身の「現在地」を確認してみませんか?

これは診断ではありません。今のあなたの体の声を、客観的な「数値化」するツールです。

誰にも見せる必要はありません。こっそりと、でも正直に。

自分の体と向き合う時間を、ほんの1分だけ作ってみてください。

その数値が、あなたが笑顔を取り戻すための、最初の手がかりになるはずです。

そのイライラや不調、
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