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自分のために生きるのがわからない?心が麻痺する原因と自分を取り戻す5つのリハビリ

ふと立ち止まったとき、「あれ、私って何が好きだったっけ?」「自分のために生きるって、どういうこと?」と、呆然としてしまうことはありませんか?

検索窓に「自分のために生きる わからない」と打ち込んだその時、あなたの心はきっと、深い孤独と虚無感の中にいたのではないでしょうか。

まず、これだけは言わせてください。

「自分のことがわからない」のは、あなたがこれまで、自分のこと以上に誰かのことを大切に思って、一生懸命生きてきた証拠です。

決して、あなたがおかしいわけでも、心が冷たいわけでもありません。

ただ、少しだけ「自分」を置き去りにすることに慣れすぎてしまっただけなのです。

今日は、そんな麻痺してしまった心のリハビリ方法を、一緒にゆっくり紐解いていきましょう。

たま先生

たま先生(中森 万美子)

「中森万美子鍼灸院」院長、「たま お悩み相談室」代表カウンセラー。 東洋医学で体を整え、カウンセリングで心に寄り添う「心身一如」のケアが信条。 FM845パーソナリティ。SNSフォロワー4万人超。著書『40歳からの幸せの法則』。

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目次

「自分のために生きる」がわからないのは、あなたが頑張りすぎてきた証拠

「自分のために生きたい」と思っても、具体的に何をすればいいのかわからない。

そんな自分に対して、「なんて私はつまらない人間なんだろう」と責めてしまってはいませんか?

でも、それは逆なんです。あなたがこれまで、どれだけ周囲の期待に応えようと頑張ってきたか。その「頑張り」の裏返しが、今の「わからない」という感覚なのです。

誰かの期待に応え続けてきた「他人軸」の思考癖

私たちは子どもの頃から、「いい子でいなさい」「わがままを言ってはいけません」「空気を読みなさい」と教えられて育つことが多いですよね。

特に、優しくて感受性の強い人ほど、親の期待、先生の期待、そして大人になってからは上司やパートナー、子供の期待を敏感に察知します。

「自分がどうしたいか」よりも「相手が何を求めているか(正解は何か)」を瞬時に判断し、行動に移す。

この「他人軸」での思考が何十年も続くと、それはもはや癖を通り越して「自動操縦」になります。

誰かのために動く回路は太く発達していますが、自分のために動く回路は使われないまま錆びついてしまっているのです。

優しさゆえに自分の感情にフタをしてきた過去

自分の意見を言うことで誰かが傷つくなら、私が我慢すればいい。

そうやって飲み込んできた言葉や感情は、消えてなくなるわけではありません。心の奥底に澱(おり)のように溜まっていきます。

悲しみも、怒りも、そして喜びさえも、感じてしまうと辛くなるから、無意識のうちにフタをする。

そうして感情を感じないように守ってきた結果、「自分が何をしたいのか」「何が好きなのか」という感覚までもが、分厚いフタの下に隠れてしまったのです。

なぜ今、自分のために生きる方法がわからなくなってしまったのか

これまで何とかやってこれたのに、なぜ今になって急に「わからない」という感覚が押し寄せてきたのでしょうか。

それには、心理的な理由と、私たち世代特有の身体的な理由があります。

「わがまま」と「自分を大切にする」の区別がつかない

多くの人が陥る罠がこれです。

「自分のために生きる」=「好き勝手にする」「わがままになる」「他人をないがしろにする」という誤った思い込みです。

真面目なあなたは、「自分のために生きるなんて、そんな贅沢なこと、私には許されない」と無意識にブレーキをかけていませんか?

でも、「自分を大切にすること」と「わがまま」は全く別物です。

自分を満たすことは、決して誰かから奪うことではないのです。

役割(母・妻・娘・会社員)を演じすぎて「私」が迷子

「〇〇ちゃんのお母さん」「〇〇さんの奥さん」「〇〇課の係長」。

私たちには多くの役割があります。その役割を完璧にこなそうとすればするほど、役割という仮面が顔に張り付き、素顔の「私」が見えなくなってしまいます。

特に子育てがひと段落したり、仕事で役職が変わったりした時に、「役割」が外れかけ、「あれ? 私って誰だっけ?」とアイデンティティ・クライシス(自己喪失)に陥ることは、決して珍しいことではありません。

心の余裕を奪う「身体の不調」と「ホルモンバランス」の乱れ

そして、もう一つ見逃せないのが「身体」からの影響です。

30代後半から50代にかけては、女性ホルモンのバランスが急激に変化する時期でもあります。

自律神経が乱れると、理由もなく不安になったり、イライラしたり、思考力が低下して「何がしたいかわからない」状態になりやすくなります。

心が弱いからではなく、単に身体の機能として「脳が疲れやすくなっている」可能性があるのです。

身体が辛いと、自分の心の声を聞く余裕なんて生まれませんよね。

自分のために生きる第一歩は「思考」より「感覚」を取り戻すこと

では、どうすれば自分を取り戻せるのでしょうか。

いきなり「人生の目的」や「大きな夢」を探す必要はありません。

大切なのは、「頭(思考)」で考えるのをやめて、「身体(感覚)」のリハビリをすることです。

頭で考えるのをやめて、身体の「快・不快」を感じる

「自分のために生きる」と考えると、真面目な人ほど「立派な趣味を見つけなきゃ」「資格を取らなきゃ」と頭で考えてしまいます。

でも、それはまた「世間体」という他人軸の基準です。

正解は頭の中にはありません。あなたの身体の感覚の中にあります。

「なんとなく心地いい」「なんとなく嫌な感じがする」。

この小さな「快・不快」のセンサーを磨くことこそが、自分を取り戻す最短ルートです。

「〜すべき(ねばならない)」を「〜したい」へ変換する練習

あなたの頭の中は「〜すべき(Must)」で埋め尽くされていませんか?

「夕飯を作らなきゃ」「早く寝なきゃ」「優しくしなきゃ」。

これを少しずつ「〜したい(Want)」に変換してみましょう。

「夕飯を作らなきゃ」ではなく「今日は温かいスープが飲みたいな」

もし「何もしたくない」なら、それも立派な「休みたい」というWantです。

小さなWantを見つけて、それを叶えてあげること。それが「自分のために生きる」ことの正体です。

自分の感覚を取り戻すための具体的な5つのステップ

概念的な話をしてきましたが、ここからは今日からできる具体的な「リハビリ」のステップをご紹介します。

難しく考えず、実験だと思って試してみてください。

①今日の飲み物を本気で選んでみる(小さな自己決定)

コンビニやカフェに入った時、なんとなく「いつもの」や「一番安いもの」、あるいは「みんなと同じもの」を選んでいませんか?

今日からは、飲み物一本を選ぶ時にも、自分の胸に手を当てて聞いてみてください。

「今の私は、本当は何を飲みたい?」

温かいもの? 冷たいもの? 甘いもの? 苦いもの?

たった150円の飲み物でも、「自分で悩み、自分で決め、自分の欲求を満たした」という経験は、確実な自信になります。

②まずは「やりたくないことリスト」を書き出す

「やりたいこと」が見つからない時は、「やりたくないこと」から探すのが鉄則です。

やりたいことにはエネルギーが必要ですが、やりたくないことは「不快」の感覚なので見つけやすいからです。

  • 無理して愛想笑いをするのをやめる
  • 気が乗らないランチ会に行くのをやめる
  • 毎日掃除機をかけるのをやめる

「やめる」と決めて実行できた時、あなたの心に空白(スペース)が生まれます。その空白に、自然と「やりたいこと」が入ってくるのです。

③好きな香りと手触りで五感を満たす時間を作る

思考がぐるぐると止まらない時は、五感に意識を向けましょう。

私がおすすめするのは「香り」と「手触り」です。

好きなアロマの香りを嗅いだ瞬間、人は悩み事を考えられません。

また、ふわふわのタオルや、肌触りの良いパジャマに包まれた時、身体は正直に「心地いい」と感じます。

理屈抜きの「気持ちいい」を自分にプレゼントしてあげてください。

④身体のサインを無視しない(心と体のセルフチェック)

「自分の気持ちがわからない」背景には、更年期特有のホルモンバランスの乱れが隠れていることがよくあります。

「私の性格が変わってしまったのかな…」と悩んでいた方が、実は身体のケアをすることで嘘のように前向きになれたケースを、私は鍼灸師としてたくさん見てきました。

あなたのそのモヤモヤやイライラ、もしかしたら身体からのSOSかもしれません。

まずは自分の身体の状態を知ることから始めてみませんか?

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⑤自分だけの時間を1日5分だけ確保する

「自分の時間なんてない!」という方も多いでしょう。でも、5分ならどうでしょうか。

トイレの中、お風呂上がりの洗面所、車の中。

どこでも構いません。

スマホも見ず、テレビも消して、ただボーッとする時間。

「あー、疲れた」と声に出してもいいですし、深呼吸をするだけでもいい。

誰のためでもない、自分だけのために使う5分間を持つこと。それが「私は私を大切にしている」というメッセージとなって、潜在意識に届きます。

どうしても自分の気持ちがわからない時はプロを頼って

リハビリを試してみても、どうしても罪悪感が消えない、何が好きかわからないということもあるでしょう。

それは、長年かけて固結びされた心の糸が、自分ひとりではほどけなくなっているだけかもしれません。

カウンセリングで心の絡まった糸をほどく

そんな時は、ひとりで抱え込まずにプロの手を借りるのも一つの賢い選択です。

カウンセリングは、病気の人が受けるものだけではありません。

「自分軸」を取り戻し、これからの人生をより豊かにするための作戦会議のようなものです。

第三者に話すことで、「あ、私こんなこと思っていたんだ」と初めて自分の本音に気づく瞬間は、とても感動的です。

まとめ:自分のために生きることは、誰かを幸せにすることにもつながる

最後に。

あなたが自分のために生き、笑顔でいることは、あなたの周りの大切な人たちをも幸せにします。

お母さんが笑っていると子供が嬉しいように、あなたが満たされていることは、周囲への一番の貢献なのです。

「自分のために生きるのがわからない」と悩めるあなたは、もう変わる準備ができています。

まずは今日の飲み物を、自分のために選ぶことから始めてみましょう。

そんなあなたの小さな一歩を、心から応援しています。

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