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【性格のせいじゃありません】更年期の気分の落ち込み、薬に頼らず自宅でできる3つの対処法

「朝、理由もなく涙が出て止まらない」

「家族の些細な一言に傷つき、激しく落ち込んでしまう」

そんな、まるでジェットコースターのように揺れ動く自分の感情に、戸惑っていませんか?

「以前の私なら、こんなこと笑って流せたのに」

「性格が悪くなったのかな、能力が落ちたのかな」

もし今、あなたがそうやって自分を責めているなら、まずはその手を止めてください。

あなたが悪いのではありません。その辛さの正体は、体があなたに送っている「SOSサイン」の可能性があります。

悩みへの対処法を知る前に、まずは今のあなたの心と体がどんな状態にあるのか。客観的な「数値」で現在地を確認することから始めましょう。

たま先生

たま先生(中森 万美子)

「中森万美子鍼灸院」院長、「たま お悩み相談室」代表カウンセラー。 東洋医学で体を整え、カウンセリングで心に寄り添う「心身一如」のケアが信条。 FM845パーソナリティ。SNSフォロワー4万人超。著書『40歳からの幸せの法則』。

📖 著書:40歳からの幸せの法則

そのイライラや不調、
性格のせいじゃありません。

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辛いのは当たり前。更年期の気分の落ち込みは「脳のパニック」です

「こんなことで落ち込むなんて、私はダメな人間だ」

カウンセリングにいらっしゃる多くの女性が、開口一番そう仰います。でも、鍼灸師である私から言わせてください。

その不調は、あなたの「性格」や「心」の問題ではありません。

足の骨を骨折したら、どんなに頑張っても全力では走れませんよね?

今、あなたの体の中で起きているのは、それと同じくらい「物理的で、抗いようのない変化」なのです。

女性ホルモンの減少で「幸せ物質」が枯渇しているだけ

私たちの心と体は、女性ホルモン(エストロゲン)という守り神によって支えられています。

しかし、40代半ばを過ぎて閉経が近づくと、このエストロゲンが急激に減少します。すると、脳内でエストロゲンと連動して働いていた「セロトニン(幸せホルモン・抗不安物質)」までもが、ガクンと減ってしまうのです。

セロトニンは、心の安定剤のような役割を持っています。それが物理的に減っているのですから、不安になったり、イライラしたり、落ち込んだりするのは、脳の仕組み上「当たり前の生理現象」なのです。

自分を責める必要は1ミリもありません。「あぁ、今、脳の栄養が足りていないんだな」と、淡々と事実を受け止めるだけで十分ですよ。

東洋医学で見る「感情の暴走」=「肝(かん)」のオーバーヒート

今度は少し視点を変えて、東洋医学のお話をしましょう。

東洋医学では、自律神経や感情のコントロールタワーを「肝(かん)」と呼びます。

この「肝」がスムーズに働くためには、エンジンの役割をする「肝」を冷やし、潤滑油となる「血(けつ)」「水(すい)」がたっぷりと必要です。

しかし、更年期の時期は、加齢とともに体内の潤い(血・水)が枯渇しがちになります(これを陰虚・いんきょと言います)。

イメージしてみてください。

エンジンオイルが切れた状態で、高速道路を走り続けている車を。

エンジン(肝)は焼き付き、オーバーヒートを起こしますよね? これが「イライラ」の正体です。

そして、オーバーヒートしたエンジンがついに動かなくなり、エンストを起こしてしまう。これが「気分の落ち込み・うつ状態」の正体です。

つまり、あなたが今辛いのは、人間性の問題ではなく、単なる「エネルギー切れ(陰虚)」なのです。

オイルさえ足してあげれば、車はまたスムーズに走り出します。体も同じこと。整えれば、必ず楽になる時は来ます。

薬に頼る前に。更年期の気分の落ち込みを和らげる3つの対処法

「原因はわかったけれど、病院に行って薬をもらうのは少し抵抗がある…」

「誰にも知られずに、家でこっそりケアしたい」

そんなあなたへ。日常生活の中で、「肝」の高ぶりを鎮め、不足した「血」を補うための、今日からできるセルフケアを3つお伝えします。

【呼吸】吐く息を長くして「気」の巡りを下ろす

イライラしている時や、不安で胸がザワザワしている時、あなたの呼吸は浅く、早くなっていませんか?

東洋医学では、これを「気逆(きぎゃく)」と呼びます。本来なら下半身にあるべきエネルギー(気)が、頭の方へ逆流してしまっている状態です。頭に血が上り、のぼせやパニックを引き起こしやすくなります。

これを鎮める一番簡単な方法が「呼吸」です。

気の巡りを下ろす呼吸法

  1. 仰向けになるか、椅子に深く腰掛けます。
  2. 鼻から軽く息を吸います(3秒くらい)。
  3. 口をすぼめて、細く、長ーく息を吐き切ります(10秒以上かけるイメージで)。
  4. 吐くときに、頭に溜まったモヤモヤが、おへその下(丹田)へ降りていくのをイメージしてください。

ポイントは「吸うこと」よりも「吐くこと」に意識を向けること。

長く息を吐くと、副交感神経が優位になり、強制的に体がリラックスモードへと切り替わります。トイレの中や、お布団に入ってからでも構いません。「辛いな」と思ったら、まずは「ふぅーっ」と長く息を吐いてみてください。

【食事】赤い食材で不足した「血(けつ)」をチャージする

先ほどお伝えした通り、更年期の不調の大きな原因は、感情のブレーキ役である「血(けつ)」の不足です。

毎日の食事で、減ってしまったオイル(血)をチャージしてあげましょう。

おすすめなのは、「赤い食材」と「黒い食材」です。

  • 赤い食材: クコの実、ナツメ、赤身の肉(牛・羊)、マグロ、カツオ、ニンジン、トマトなど
  • 黒い食材: 黒ごま、黒豆、ひじき、黒きくらげなど

特に、おやつとして「ナツメ」や「クコの実」を食べるのはとてもおすすめです。

甘いケーキやカフェインの強いコーヒーは、一時的に気分を高揚させますが、その後急激に血糖値を下げ、余計にイライラや落ち込みを招くことがあります。

「なんだか落ち込むな」という日は、夕食に赤身のお肉を選んだり、お茶請けをドライフルーツに変えてみたり。「食べる薬」だと思って、自分を労ってあげてください。

【思考】「できない自分」を許し、60点の私でOKを出す

更年期の不調をこじらせてしまう方には、ある共通点があります。

それは、「真面目で、責任感が強く、頑張り屋さん」だということ。

「私がやらなきゃ」「もっと頑張らなきゃ」

そうやって自分を追い込んでいませんか?

でも、今のあなたの体は、人生の「冬の時期」を迎えています。自然界の動物たちが冬眠するように、今はエネルギーを外に向けるのではなく、内側に蓄えるべき時期なのです。

冬に半袖で走り回ったら、風邪を引いてしまいますよね。

今は、「休むことが仕事」だと思ってください。

  • 家事は完璧じゃなくていい。ご飯はお惣菜でもいい。
  • 仕事でミスをしても、「ホルモンのせいだから仕方ない」と割り切る。
  • 人付き合いがしんどければ、無理して会わなくていい。

目指すは「60点」です。赤点じゃなければ御の字。

「今日は一日パジャマで過ごしちゃった」ではなく、「今日は一日しっかり体を休めることができた。えらい!」と、自分にハナマルをつけてあげてくださいね。

まだ認めたくない?「隠れ更年期」こそ早めのケアが必要です

ここまで読んで、「内容はわかるけど、私はまだ更年期じゃないはず」「生理もまだあるし…」と思っている方もいるかもしれません。

でも、「更年期」=「閉経後のこと」だと思っていませんか?

更年期のサインは「ホットフラッシュ」だけではありません

一般的に更年期というと、「急に汗が出る(ホットフラッシュ)」や「生理が止まる」といった症状をイメージされる方が多いです。

しかし、実は体の変化よりも先に「心の不調」から始まるケースが非常に多いのです。

  • なんとなく眠りが浅い
  • 漠然とした将来への不安がある
  • 頭痛や肩こりが酷くなった
  • 以前より疲れが取れにくい

これらはすべて、ホルモンバランスの乱れからくる初期のサイン、いわゆる「隠れ更年期(プレ更年期)」の可能性があります。

「病気じゃないから」と我慢して放置していると、本格的な更年期に入った時に、症状が重くなってしまうことも…。

我慢は美徳じゃない。放置すると「老年期」の健康に響くリスク

更年期は、女性の体にとって大きな曲がり角です。

この時期をどう過ごすかで、その後の60代、70代、いわゆる「老年期」の健康レベルが決まると言っても過言ではありません。

今のサインを無視して、無理を重ねてエンジンを焼き付かせてしまうと、更年期が終わった後も、慢性的な不調や気力の低下を引きずってしまうことがあります。

今のあなたに必要なケアをすることは、決して「甘え」ではありません。

未来のあなたが、笑顔で元気に過ごすための「投資」なのです。

最後に:まずは「診断」で、モヤモヤを数値化してみませんか?

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

「私のことかもしれない」と、少しドキドキしているかもしれませんね。

更年期という言葉に、抵抗を感じるのは当然です。

でも、私があなたに更年期チェックをおすすめするのは、あなたに「更年期」というラベルを貼りたいからではありません。

「敵の正体」を知って、正しい「武器」を選んでほしいからです。

雨が降るとわかっていれば、傘を持って出かけられます。

寒くなるとわかっていれば、コートを羽織れます。

それと同じで、「今の私の体は、これくらいホルモンが減っているんだな」「肝が疲れているんだな」と知ることができれば、無駄に自分を責めたり、暗闇の中で怯えたりする必要がなくなります。

診断結果を見て、「やっぱりそうだったんだ」と落ち込む必要はありません。

むしろ、「なぁんだ、だから辛かったのか!」と、ホッとするための答え合わせだと思ってください。

病院の待合室に行く必要はありません。

まずは今、この場所で。スマホ片手に1分だけ、自分の体と向き合ってみませんか?

あなたの心のモヤモヤが、少しでも晴れるきっかけになれば嬉しいです。

そのイライラや不調、
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