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五臓六腑とは?心と体の不調サインを読み解く東洋医学の知恵【たま先生の養生講座】

  • 「病院の検査では『異常なし』と言われたけれど、なんとなく体がだるい…」
  • 「些細なことでイライラしてしまって、後で自己嫌悪に陥る…」

そんな「名もなき不調」を抱えていませんか?

実はそれ、あなたの体が発している「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」からのSOSかもしれません。

東洋医学では、内臓を単なる「器官」としてだけでなく、「心」や「感情」とも深くつながっていると考えます。

今日は、自分の体の声を聴くための第一歩、「五臓六腑」について、わかりやすくお話ししますね。

監修者
たま先生(中森万美子)の写真

中森万美子鍼灸院 院長

たま先生(中森万美子)

鍼灸師・心理カウンセラー。「心身一如」を掲げ、東洋医学(体)と心理学(心)の両面から、40代以降の更年期・自律神経の悩みに寄り添う。
FM845パーソナリティや歌手としても活動し、その声と人柄はSNS総フォロワー4万人超に支持されている。著書『40歳からの幸せの法則』。

五臓六腑とは?西洋医学の臓器とは違う「心身のネットワーク」

「五臓六腑」という言葉、聞いたことはありますよね。

でも、「五臓って何?」「六腑ってどこ?」と聞かれると、意外と答えられないもの。

まずは、この不思議なチームの役割を整理してみましょう。

「五臓」と「六腑」それぞれの役割とペアの関係

東洋医学では、人間の体にある内臓を、その働きによって「臓(ぞう)」「腑(ふ)」に分けます。

五臓(ごぞう)
生命活動に必要な「気(エネルギー)・血(栄養)・水(潤い)」や「精(生命力の源)」を貯蔵する場所。
肝(かん)・心(しん)・脾(ひ)・肺(はい)・腎(じん)

六腑(ろっぷ)
食べ物を消化・吸収し、不要なものを運搬・排泄する場所(中空の管のようなイメージ)。
胆(たん)・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦(さんしょう)

この「臓」と「腑」は、実は夫婦のようなペアになっています。

例えば、「肝」と「胆」、「脾」と「胃」はセットで働いています。お互いに助け合いながら、私たちの体を支えているんですね。

解剖学的な「内臓」との違いは?東洋医学ならではの視点

ここが少しややこしいところなのですが、東洋医学でいう「脾(ひ)」や「腎(じん)」は、西洋医学(解剖学)の「脾臓」や「腎臓」とはイコールではありません。

西洋医学が「形ある臓器そのもの」を見るのに対し、東洋医学は「働きのシステム全体」を見ます。

例えば、東洋医学の「脾(ひ)」は、食べた物を消化吸収してエネルギーに変えるシステム全体(胃腸の働きに近い)を指します。

また、「腎(じん)」は、尿を作るだけでなく、ホルモンバランス、成長、老化、生殖機能など、生命力そのものに関わる広い働きを指すのです。

「五臓六腑に染み渡る」の意味から知る、気血の巡り

冷たいビールや温かいスープを飲んだ時、「あぁ、五臓六腑に染み渡る〜!」と言いますよね。

これは単に「胃袋に入った」という意味ではありません。

東洋医学では、飲食によって取り入れたエネルギー(気血)が、五臓六腑というネットワークを通じて、全身のすみずみまで巡ると考えます。

つまり、この言葉は「全身の細胞が喜び、心まで満たされている状態」を表している、とても東洋医学的な表現なんですよ。

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【東洋医学と西洋医学の違い】40代からの不調はどう向き合う?「検査で異常なし」の辛さに寄り添うヒント

あなたの不調やイライラはどこから?五臓六腑と感情の深い関係

私がカウンセリングと鍼灸を組み合わせている理由は、ここにあります。

東洋医学には「心身一如(しんしんいちにょ)」という言葉があり、心と体は切っても切り離せないものだと考えます。

実は、五臓にはそれぞれ「宿りやすい感情」があるのです。

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心身一如とは?東洋医学のプロが教える「心と体のつながり」と40代からの不調ケア

怒りは「肝」、思い悩みは「脾」?感情が五臓を傷つける「内因」とは

「最近、怒りっぽくなったな」と感じたら、それは性格のせいではなく、「肝」が疲れているサインかもしれません。

肝(かん) ⇔ 怒り
ストレスやイライラが続くと「肝」を傷め、逆に「肝」が弱ると怒りっぽくなります。自律神経の乱れにつながりやすくなります。

心(しん) ⇔ 喜び(興奮)
喜びは良い感情ですが、はしゃぎすぎ(興奮状態)は「心」の負担に。休息がとりづらくなることもあります。

脾(ひ) ⇔ 思い(悩み)
クヨクヨ思い悩むと「脾」が弱り、食欲不振や胃もたれなどを招きます。

肺(はい) ⇔ 憂い(悲しみ)
深い悲しみは「肺」を傷つけ、呼吸が浅くなったり、肌のコンディションに影響したりします。

腎(じん) ⇔ 恐れ(驚き)
強いショックや不安は「腎」を消耗させ、エイジングサインや腰周りの悩みにつながります。

【五臓タイプ別診断】あなたの心と体の弱点チェック

あなたの不調はどのタイプに近いですか?簡単なチェックリストを作ってみました。

  • 【肝タイプ】イライラしやすい、目が疲れる、肩がこる、女性特有のリズムが乱れがち。
  • 【心タイプ】眠りが浅い、夢をよく見る、胸がドキドキする、物忘れが気になる。
  • 【脾タイプ】食後に眠くなる、胃腸に自信がない、雨の日に体調を崩しやすい、甘いものが無性に食べたい。
  • 【肺タイプ】季節の変わり目に敏感、乾燥が気になる、悲観的になりやすい、コンコンとしやすい。
  • 【腎タイプ】疲れが抜けない、足腰がだるい、トイレが近い、耳鳴りがする。

検査で異常なしでも辛い…それは五臓六腑からのSOSかも

病院の検査は「臓器の形や数値の異常」を見つけるのは得意ですが、「働きの低下」「気・血の滞り」は見つけにくいものです。

数値には出ないけれど、本人が辛さを感じている状態。これを東洋医学では「未病(みびょう)」と呼びます。

五臓六腑のバランスの乱れをいち早くキャッチしてケアしてあげること。それが、健やかな毎日を過ごすための秘訣です。

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五臓六腑をいたわる毎日のセルフケア~食事と運動~

では、乱れてしまった五臓六腑を整えるにはどうすればいいのでしょうか?

難しく考える必要はありません。毎日の「食べる」「動く」を少し意識するだけです。

食べる養生:五味(酸・苦・甘・辛・鹹)で内臓を整える

食材の「味」には、それぞれの臓腑を助ける力があります。

酸味(肝)
梅干し、酢、柑橘類 → 気分の高ぶりを落ち着かせ、気を巡らせます。

苦味(心)
ゴーヤ、緑茶、コーヒー → 余分な熱を冷まし、心を落ち着かせます。

甘味(脾)
かぼちゃ、芋、お米 → 胃腸を元気にし、疲れを癒やします。(※砂糖の甘さではなく、素材の甘みです!)

辛味(肺)
生姜、ネギ、大根 → 体を温め、巡りを良くして季節の変わり目の健康維持に。

鹹味(腎)
昆布、海苔、黒豆(塩辛さ) → 生命力を養い、体のバランスを整えます。

特定の味ばかり欲しくなる時は、対応する臓腑が疲れている証拠かもしれません。バランスよく摂ることが大切です。

動く養生:経絡を意識して「気」の滞りを解消する

五臓六腑とつながっているエネルギーの通り道を「経絡(けいらく)」と言います。

電車で例えるなら、五臓六腑が「駅」で、経絡は「線路」です。

線路(経絡)の流れが滞ると、駅(内臓)にも荷物(気や血)が届きません。

ストレッチをして体を伸ばすことは、単に筋肉をほぐすだけでなく、この「経絡」の流れをスムーズにし、内臓の働きをサポートすることにつながるのです。

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40代からのゆらぎ期は「五臓六腑」のバランス調整が鍵

特に40代以降は、女性ホルモンの変化とともに、東洋医学でいう「腎(生命力)」のエネルギーが少しずつ低下してくる時期です。

今まで無理が効いていたことも、効かなくなってきます。

だからこそ、自分の五臓六腑の状態を知り、いたわってあげることが本当に大切になります。

薬に頼りすぎず自然治癒力を高める「たま式」の考え方

不調があるたびに抑え込むのではなく、

「あ、今『肝』が疲れてるな。今日は酸っぱいものを食べて早く寝よう」

そんな風に、自分で自分の機嫌をとれるようになると、人生はもっと楽に、楽しくなります。

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難しいポーズはありません。あなたの「五臓六腑」が喜ぶ動きを、一緒に見つけていきましょう。

体が変われば、心も軽やかになるのを感じていただけるはずです。

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参考資料

オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書

監修
平馬直樹、浅川要、辰巳洋
発行所
株式会社ナツメ社
発行日
2014.01.20
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