60代専業主婦は何してる？不安や焦りを「自分らしい時間」に変えるヒント

これまで家族のために、子育てに、家事にと全力で走り抜けてきたあなた。

いざ少し手が離れ、夫が定年を迎えたり、ご自身の環境が変わったりしたとき、「あれ、私、今日一日何もしなかったかも…」と、急に不安に襲われることがあるかもしれません。

でも、大丈夫です。その不安は、あなたがこれまで一生懸命生きてきた証拠なんですよ。

今日は、そんなふうに少し心が揺れているあなたへ。

鍼灸師として、そしてカウンセラーとしての視点から、60代からの心と体の整え方、そして「自分らしい時間の彩り方」についてお話しします。

「60代専業主婦は何してる？」と検索してしまう心理とは

検索窓にこの言葉を打ち込むとき、心の奥底にはどんな感情があるのでしょうか。

相談室にいらっしゃる多くの方のお話を聞いていると、そこには共通した心理が見えてきます。

周りと比べて焦っていませんか？「生産性」の呪縛

「働かざる者食うべからず」なんて言葉が、昭和の時代にはありましたね。

専業主婦として家を守ることは立派な仕事ですが、社会に出てお金を稼いでいないことに対して、「私は社会の役に立っていないのでは？」「生産性がないのでは？」と、無意識に自分を責めてしまう方が非常に多いです。

特に60代になると、バリバリ働いている同世代の友人と自分を比べてしまいがち。「みんな輝いているのに、私は家でワイドショーを見ているだけ…」なんて落ち込む必要はありません。

あなたは十分、家族という社会の基盤を支えてきたのですから。

子育て終了・夫の定年で感じる「空の巣症候群」と孤独感

子供たちが独立し、夫も定年退職して家にいる時間が増える。

これまで「お母さん」や「妻」としての役割で埋め尽くされていたスケジュールに、ぽっかりと空白ができます。

これが、いわゆる「空の巣症候群」に近い喪失感を生むことがあります。

また、夫が家にいることで、「自分の家なのに気が休まらない」「昼食の支度ばかりしている気がする」といった、新たなストレス（在宅ストレス）を感じる方も少なくありません。

検索履歴から見る、みんなが抱えている「共通の悩み」

実は、「60代専業主婦 何してる」という検索キーワードは、とても多くの方が調べている言葉なんです。

あなただけが暇を持て余しているわけでも、あなただけが孤独を感じているわけでもありません。

みんな、「これからの人生、どう楽しめばいいの？」「誰か正解を教えて」と、新しい人生のコンパスを探しているのです。この検索履歴は、あなたが「新しい一歩を踏み出したい」と思っている、前向きなサインでもあるんですよ。

充実している60代専業主婦は何してる？今日から真似できる過ごし方

では、実際に日々を心地よく過ごしている方々は、何をしているのでしょうか。

派手な趣味や高価な旅行でなくても、日常を彩るヒントはたくさんあります。鍼灸師の視点から、心身の健康にも良い過ごし方をご紹介します。

無理なく体を動かす「散歩・ラジオ体操」で自律神経を整える

「何か始めなきゃ」といきなりジムに通う必要はありません。

私のおすすめは、朝日を浴びながらの「散歩」や、昔懐かしい「ラジオ体操」です。

60代は、加齢により自律神経が乱れやすくなる時期。

午前中に太陽の光を浴びてリズム運動をすることで、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」が分泌されます。これが夜の良質な睡眠にもつながり、心の安定をもたらします。

「近所の新しいお花を見つける」くらいの軽い気持ちで始めてみましょう。

脳の活性化にもつながる「学び直し・読書・手仕事」

時間がたっぷりある今こそ、知的好奇心を満たすチャンスです。

図書館に通って片っ端から本を読んだり、編み物や刺繍などの手仕事に没頭したりするのも素敵ですね。

指先を使う作業は、脳の活性化に非常に効果的です。また、「作品が出来上がる」という小さな達成感が、日々の自己肯定感を高めてくれます。

最近では、スマホアプリで語学学習を始める60代の方も増えていますよ。

社会との接点を保つ「プチボランティア」や「単発のお仕事」

「がっつり働く自信はないけれど、社会と繋がりたい」

そんな方には、地域のシルバー人材センターへの登録や、単発のボランティア活動がおすすめです。

週に1回、数時間だけでも「誰かに必要とされる」「ありがとうと言われる」経験は、心の大きな栄養になります。

無理のない範囲で、外の世界との小さな窓を開けておくのがポイントです。

あえて「何もしない」贅沢な時間を自分に許可する

これが一番難しいかもしれませんが、一番大切です。

「今日は何もしない日」と決めて、好きなお茶を入れて、ただぼーっと空を眺める。

これは怠慢ではなく、「命の洗濯」です。

常に何かしていないと落ち着かないというマインドを手放し、「何もしない自分」を許してあげること。それが、60代からの心の余裕につながります。

60代からの心と体｜イライラや無気力は「性格」ではなく「不調」かも

「やりたいことが見つからない」「なんだかずっとイライラする」

それは、あなたの性格のせいではなく、体の変化が原因かもしれません。

閉経後も続く？60代特有のホルモンバランスと体の変化

更年期は50代前後で終わると思われがちですが、閉経後のホルモン低下の影響は60代以降も続きます。

エストロゲン（女性ホルモン）の守りがなくなった体は、自律神経の調整がうまくいかず、動悸やほてり、そして原因不明の不安感を引き起こすことがあります。

「もう更年期は終わったはずなのに」と思わずに、体からのサインに耳を傾けてあげましょう。

夫へのイライラが止まらない…それは「夫源病」のサインかも

夫が一日中家にいて、些細な言動にイライラする。動悸がする。

これは近年話題の「夫源病（ふげんびょう）」の予備軍かもしれません。

真面目で責任感の強い主婦の方ほど、「私が我慢すればいい」と抱え込んでしまい、体調を崩してしまいます。

これは心の狭さではなく、環境の変化に対するストレス反応なのです。

不調の原因を知ることから始めよう

「なんだかすっきりしない」「やる気が出ない」

もしそんな不調を感じているなら、一度ご自身の心と体の状態をチェックしてみませんか？

当院のサイトでは、簡単な質問に答えるだけで、今のあなたの状態がわかるセルフチェックをご用意しています。

「更年期なんて昔の話」と思っている60代の方にこそ、試していただきたい診断です。

今のイライラや不調の原因がわかれば、対処法も見えてきますよ。

更年期診断｜イライラ・不調はサイン？10の質問で今すぐセルフチェック

これからの人生を「自分のため」に生きるためのマインドセット

最後に、これからを笑顔で過ごすための心の持ち方をお伝えします。

家族優先だった生活から「自分ファースト」へのシフトチェンジ

あなたはこれまで、十分に家族を優先してきました。

これからの人生は、少しわがままになって「自分ファースト」で生きていいんです。

夕飯のメニューも、夫の好みではなく「自分が食べたいもの」にする。

行きたかった場所に、一人でふらりと行ってみる。

そんな小さな「自分優先」の積み重ねが、あなた自身を取り戻すリハビリになります。

小さな「やりたいことリスト」を作って達成感を味わう

大きな夢である必要はありません。

• 気になっていたパン屋さんに行く
• 昔好きだった映画を観直す
• クローゼットの整理をする

手帳の隅に、小さな「やりたいこと」を書き出して、できたら線を引いて消していく。

この単純な作業が、「私は今日も自分のために何かをした」という実感を与えてくれます。

どうしても心が晴れない時は「専門家」に話してみる

もし、どうしても不安が消えない、誰かに話を聞いてほしいけれど家族や友人には言いにくい…。

そんな時は、私たちのようなカウンセラーや専門家を頼ってください。

「こんな些細なことで」なんて思う必要はありません。

話すことは、放すこと。心の重荷を下ろすお手伝いをさせてくださいね。

まとめ：60代は第二の青春！焦らずあなたのペースで歩き出そう

「60代専業主婦 何してる」

その答えは、一つではありません。

何かに打ち込んでもいいし、何もしなくてもいい。

大切なのは、あなたが「今日の自分も悪くないな」と思えること。

焦る必要はありません。60代は、義務や役割から解放された「第二の青春」の始まりです。

まずは深呼吸をして、あなたのペースで、新しい一日を始めてみてくださいね。

いつでもあなたを応援しています。