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「何もしてこなかった」と悔やむ60代へ。これからの人生を自分らしく楽しむための心の整え方

ふと鏡に映る自分を見て、「私、これまでの人生で何もしてこなかったな……」と虚無感に襲われることはありませんか?

定年や還暦という節目に、周りと比べて自分だけが取り残されたように感じてしまう。

でも、そうやって立ち止まり振り返ること自体が、あなたが真剣に生きてきた証拠です。

どうでもいいと思って生きてきた人は、振り返ることすらしませんから。

この記事では、「何もしてこなかった」という心の重荷を下ろし、60代からの人生を自分らしく楽しむヒントをお伝えします。

60代は人生の「終わりの始まり」ではなく、あなたが自分のために生きる「スタートライン」です。

ここから、心を晴らす一歩を一緒に踏み出しましょう。

たま先生

たま先生(中森 万美子)

「中森万美子鍼灸院」院長、「たま お悩み相談室」代表カウンセラー。 東洋医学で体を整え、カウンセリングで心に寄り添う「心身一如」のケアが信条。 FM845パーソナリティ。SNSフォロワー4万人超。著書『40歳からの幸せの法則』。

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目次

「何もしてこなかった」と感じてしまう60代特有の心理とは

なぜ今、急に不安や寂しさを感じるのでしょうか。

忙しい日々に蓋をしてきた感情が、ふとした瞬間に溢れ出しているのかもしれません。

まずは、その「モヤモヤ」の正体を紐解いていきましょう。

周囲の「充実している人」と比較して焦燥感を覚えていませんか?

「隣の芝生は青い」と言いますが、SNSや同窓会で見る同世代の姿が眩しく見えることはありませんか?

  • 定年後も再雇用で働く友人
  • 夫婦で海外旅行を楽しむ知人
  • 孫の成長をSNSに投稿する同級生
  • 趣味が高じて個展を開く人

そんな姿を見ると、「それに引き換え私は……」と比較してしまいます。

「特技もない」「自慢できる話もない」。他人の「光」と自分の「影」を比べてしまうのです。

ですが、表面的に見える幸せが全てではありません。誰しも悩みを抱えています。

あなたが感じる焦燥感は、「他人の演出された一部」と「自分の現実」を比べていることから生まれていることが多いのです。

仕事や子育てが一段落した時に襲ってくる「役割喪失」の正体

60代は社会的役割が変化する時期です。

定年退職で肩書きを失ったり、子供が独立して親としての役割が終わったりします。

これまで誰かのために必死に走ってきた人ほど、役割がなくなった瞬間に「ポッカリと穴が空いた感覚」に陥りやすいのです。

「空の巣症候群」や「荷下ろしうつ」とも呼ばれますが、要するに「自分が何者か」を見失った状態です。

「誰からも必要とされていないのでは?」という不安が、「何もしてこなかった」という思考に結びつきます。

暇ができたことで、かえって自分の存在価値を深く考えすぎてしまうのです。

積み上げてきたものがないという「後悔」は真面目に生きてきた証拠

「もっと勉強しておけば」「あの趣味を続けていれば」

過去を振り返って「タラレバ」を考えるのは、それだけ「より良く生きたい」と願っていたからです。

「何もしてこなかった」と嘆く人は、裏を返せば自分への期待が高かった人でもあります。

適当に生きてきた人は「まあ、こんなもんでしょ」と開き直れるものです。

あなたが今苦しいのは、人生に対して誠実でありたいと願っているからこそ。

まずはその「真面目さ」を認め、「一生懸命だったんだな」と自分自身を労ってあげてください。

60代の「何もしてこなかった」は思い込み?人生の棚卸しで見える真実

ここからは視点を変えてみましょう。

あなたは本当に「何もしてこなかった」のでしょうか?

厳しい自己評価を外し、客観的に人生を見つめ直してみます。

当たり前に続けてきた「毎日の生活」こそが立派な実績

あなたが今日まで、どれだけの食事を作り、洗濯をし、理不尽なことに耐えて働いてきたでしょうか。

家族のために時間を使い、近所の人に挨拶をし、社会の一員として生活を営んできたこと。

これらは決して「当たり前」ではありません。

誰に褒められるわけでもない、地味な日々の繰り返し。それを何十年も続けてきたことこそが、偉大な実績です。

世の中で賞賛される「大きな成果」だけが実績ではありません。

様々なトラブルを乗り越え、今日ここで生きている。それだけで、あなたは十分に「何かをしてきた」人なのです。

「何者か」にならなくてもいい。これからは自分のために生きる時間

私たちは子供の頃から「立派な人になりなさい」と教育されてきました。

その刷り込みが、60代になっても「何者かにならなければ」という呪いのように残っていることがあります。

でも、もうその呪縛から解き放たれてもいい頃です。

有名な芸術家や地域のリーダーにならなくてもいい。ただの「あなた」でいることに許可を出しましょう。

これからは誰かに評価されるためではなく、自分を喜ばせるための時間です。

肩書きを脱ぎ捨て、朝日が綺麗だとか、コーヒーが美味しいと感じる。そんな素朴な幸せを味わえるのは、何者でもない特権です。

過去を変えることはできないが、過去への「意味付け」は今から変えられる

過去の事実は変えられませんが、どう「意味付け」するかは今のあなたの自由です。

例えば、「資格を取らなかった」ではなく「その分、家族との時間を優先できた」と捉え直す。

「キャリアを追求しなかった」のではなく「平穏な生活を守り抜いた」と考える。

あなたが選んだ道には、必ず何かの理由があったはずです。

その時々の精一杯の選択が今のあなたを作っています。

「あれはあれでよかった」「あの時の私には必要だった」と過去を肯定することで、思い出は温かい色に変わっていきます。

過去の自分を許すことが、未来への第一歩です。

不安や後悔の原因は「心」ではなく「体」の不調かもしれません

少し現実的なお話です。

今のネガティブな感情は、性格や人生の結果ではなく、単に「体のバランス」が崩れているせいかもしれません。

60代前後の体調変化やホルモンバランスが思考をネガティブにする

60代はホルモンバランスが変化する過渡期です。女性の更年期の影響が続くこともあれば、男性更年期もあります。

ホルモンバランスが乱れると自律神経が不安定になり、理由もなく涙が出たり、不安感に襲われたりします。

加齢による体力の低下も重なり、心も内向きになりがちです。

東洋医学でも心身は繋がっていると考えます。体のエネルギーが不足すれば、思考が後ろ向きになるのは当然です。

「自分がダメだから」と責める前に、「体が疲れているのかな?」と疑ってみることが大切です。

心のモヤモヤは体のサイン?まずは自分の状態を知ることから

もし以下のような状態に心当たりがあれば、それは体からのSOSかもしれません。

  • わけもなく悲しい、寂しい
  • やる気が起きない
  • 眠りが浅い
  • 急なほてりや発汗
  • 些細なことでイライラする

これらは体の変化に伴うサインの可能性があります。

「なんだ、体のせいだったのか」と分かれば、気持ちは楽になります。

性格を変えるのは大変ですが、体を整えることは今日からでもできます。

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何もしてこなかった60代から始める「これからの生き方」のヒント

体が整い心が軽くなったら、具体的な一歩を考えてみましょう。

ここでも「立派なこと」を目指す必要はありません。

大きな目標は不要。「今日一日をどう楽しむか」に意識を向ける

「残り20年の計画」なんて考えると気が重くなります。

まずは「今日一日」にフォーカスしましょう。

  • 「今日の夕飯、何を食べたら幸せかな?」
  • 「天気がいいから少し散歩しよう」

そんな小さな目標で十分です。

「何もしてこなかった」と嘆くのは過去を見ているから。「これからどうしよう」と不安になるのは未来を見すぎているからです。

大切なのは「今」を楽しむこと。その積み重ねが「幸せな老後」を作ります。

小さな「初めて」を取り入れて脳と心を活性化させる

毎日同じルーティンだと思考が停滞します。

意識的に小さな「初めて」を取り入れてみましょう。

  • いつもと違う道を通る
  • 買ったことのない野菜で料理する
  • 知らないジャンルの音楽を聴く

新しい刺激は脳を活性化させます。

「へぇ、意外と面白いな」という発見が、心に若々しい風を吹き込みます。

「何もしてこなかった」と思うなら、これから小さな経験を積み重ねていけばいいのです。

お金や成果にこだわらない趣味でゆるやかな繋がりを持つ

「上手くならなきゃ」と思う趣味は苦しくなります。お金がかかりすぎるのも不安の種です。

おすすめは、お金をかけず成果も求めない「ゆるい趣味」。

散歩中に花の名前を調べる、スマホで空を撮る、100円ショップの塗り絵など。

そして可能なら、ゆるやかな繋がりを持てるとさらに良いでしょう。

利害関係のない「趣味だけの友達」は人生を豊かにします。

肩書きのない、ただの「好きな人同士」の関係は、とても気楽で心地よいものです。

60代は第二の人生のスタート地点。焦らずゆっくり歩み出しましょう

「人生100年時代」、60代は折り返し地点を過ぎたばかりの「第二の成人式」です。

今のあなたには、経験と知恵、忍耐力があります。

それは目に見えなくても、確かに息づいている「生きる力」です。

これからの時間は、誰かのためではなく「自分」を大切にするために

これまでは誰かのために時間を切り売りしてきましたが、これからは自分のために使っていいのです。

あなたが笑顔で機嫌よく過ごしていることが、結果として周りも幸せにします。

「何もしてこなかった」と責めるエネルギーを、「これからどう楽しもうか」と考えるエネルギーに変えていきましょう。

まとめ:今日からできる自分への肯定の言葉

最後に、今日から寝る前に自分にかけてあげてほしい言葉を贈ります。

  • 「今日も一日、よく生きたね」
  • 「何も問題ないよ」
  • 「私は私で大丈夫」

言葉には言霊があり、自分にかける言葉が明日を作ります。

「何もしてこなかった」ではなく、「いろいろあったけど、よく乗り越えてきた」。

そう胸を張って、これからの新しいページをあなたらしい色で彩ってください。

たま先生は、いつでもあなたの味方です。

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