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60代で友達が離れていくのは「正解」です。寂しさを手放し自分らしく生きるコツ

ふと携帯電話を見返したとき、「あれ? 最近誰からも連絡が来ていないな」と感じることはありませんか?

あるいは、昔はあんなに頻繁に会っていた友人に誘いの連絡を入れても、「忙しいから」と断られることが増えたかもしれません。

「私が何か悪いことをしたのかな?」

「このまま誰とも話さずに老いていくのかな……」

そんな不安に襲われることもあるでしょう。

私の鍼灸院や相談室にも、60代を迎えて「急に友達が離れていった」「孤独感が強くなった」と相談に来られる方が実はとても多いのです。

まず、最初にお伝えしたいことがあります。

60代で友達が離れていくのは、あなたが悪いからではありません。それは人生のステージにおいて「正解」のプロセスなのです。

この記事では、なぜ60代になると人間関係が変化するのか、そしてその寂しさをどう乗り越え、これからの人生を豊かにしていくかについてお話しします。

たま先生

たま先生(中森 万美子)

「中森万美子鍼灸院」院長、「たま お悩み相談室」代表カウンセラー。 東洋医学で体を整え、カウンセリングで心に寄り添う「心身一如」のケアが信条。 FM845パーソナリティ。SNSフォロワー4万人超。著書『40歳からの幸せの法則』。

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なぜ?60代になって急に友達が離れていく3つの理由

今まで仲が良かったのに、なぜ60代になった途端、潮が引くように人が離れていくのでしょうか。

心理学的な視点と、私たちが置かれている環境の変化から、その主な理由を3つ紐解いていきましょう。

それぞれの「残り時間」の使い方がシビアになるから

若い頃は「なんとなく集まってお茶をする」「愚痴を言い合う」といった時間も楽しいものでした。しかし、60代になると、無意識のうちに「人生の残り時間」を意識するようになります。

「気を使わなければいけない相手と過ごすよりも、一人で好きなことをしたい」

「義理の付き合いに時間を使うのがもったいない」

多くの人がそう感じ始めます。相手が離れていったのは、あなたを嫌いになったからではなく、相手自身が自分の時間の使い方を見直し始めたからに過ぎないのです。

親の介護や孫の世話など環境のギャップが広がるから

50代までは子育てや仕事といった共通の話題がありましたが、60代は環境の個人差が最も大きくなる時期です。

  • 親の介護にかかりきりの人
  • 孫の世話で忙しい人
  • 再雇用でまだバリバリ働いている人
  • 完全にリタイアして悠々自適な人

それぞれの立場で優先順位が全く異なるため、以前のように話が噛み合わなくなったり、予定を合わせることが物理的に難しくなったりします。これは「ご縁のズレ」であって、誰のせいでもありません。

心と体のエネルギーが変化し「無理」がきかなくなるから

ここが鍼灸師として一番お伝えしたいポイントですが、60代は「気力・体力」の総量がガクンと変わる時期です。

若い頃なら、多少疲れていてもランチに行けば元気になれました。でも今は、「出かける準備をするだけで億劫」「会話を聞いているだけで疲れる」ということが増えていませんか?

それは相手も同じです。「会いたくない」のではなく「会うエネルギーがない」。これが隠された本音であるケースが非常に多いのです。

友達が離れていくことに寂しさを感じた時の心の守り方

理屈はわかっても、やはり携帯電話が鳴らない日々は寂しいものです。そんな時、どう心を守ればいいのでしょうか。

去る者を追わず「人間関係の断捨離」ができたと捉える

家の中の不用品を片付けるように、人間関係も整理する時期が来たのです。

「離れていった人」に執着するのではなく、「自然にふるいにかけられた」と考えてみましょう。

無理をして繋ぎ止めなければいけない関係なら、それは今のあなたにとって負担でしかありません。

手放すことで、心に新しいスペースが生まれます。

「孤独」ではなく「自由」な時間が増えたと考える

「友達がいない=寂しい人」というのは、若い頃の価値観、あるいは世間が作った思い込みに過ぎません。

誰にも合わせず、好きな時に起き、好きなものを食べ、行きたい場所へ行く。これは「孤独」ではなく、究極の「自由」です。

60代は、これまでの人生で背負ってきた「母」「妻」「嫁」「会社員」などの役割を脱ぎ捨てて、ただの「自分」に戻れる自由な時間の始まりなのです。

数よりも質。今の自分に合う人だけが残ったと気づく

電話帳の登録人数が減ったとしても、まだ年賀状だけで繋がっている人がいるかもしれません。あるいは、たまにしか会わないけれど、会えばホッとする人が一人でもいれば十分です

「友達100人できるかな」は小学生の歌。大人の、しかも60代の私たちに必要なのは、数合わせの友人ではなく、心穏やかに過ごせる「質の良い関係」だけです。

実は体調のせい?人間関係が億劫になる隠れた原因

「友達が離れていく寂しさ」を感じつつも、自分自身も「人と会うのが面倒くさい」「些細なことでイライラして友人と距離を置いてしまった」という経験はありませんか?

もしかすると、それは性格が変わったのではなく、体の「ゆらぎ」が原因かもしれません。

60代女性の体と心の変化を知っておこう

閉経前後の「更年期」を経て、60代はホルモンバランスが低空飛行で安定する時期に入りますが、まだまだ自律神経は乱れやすい状態です。

東洋医学では、これを「気」や「血」の不足と考えます。体の栄養が足りていないと、心に余裕がなくなり、人付き合いを避けたくなったり、被害妄想的になったりすることがあります。

イライラや不安感は「性格」ではなく「ゆらぎ」のせいかも

もし、あなたが「最近、人付き合いがしんどい」「孤独感が強すぎて眠れない」と感じているなら、一度自分の心と体の状態を客観的にチェックしてみることをお勧めします。

「もう更年期は終わったはず」と思っていても、その影響が長く続いているケースもあります。

現在のあなたのイライラや不調の原因を探るために、私が作成したセルフチェックシートを使ってみてください。

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自分の状態を知るだけで、「なんだ、体のせいだったのか」と腑に落ちて、人間関係の悩みも少し軽く感じられるようになるはずです。

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友達が減ったからこそできる!60代からの豊かな過ごし方

友達が減ったということは、それだけ「自分のために使える時間」が増えたということです。このボーナスタイムをどう使いましょうか?

誰にも気兼ねしない「一人旅」や「趣味」に没頭する

誰かと一緒だと、相手のペースに合わせたり、食事の好みを気にしたりと気疲れも多いもの。

これからは、美術館で好きな絵の前で1時間立ち止まってもいいですし、急に行き先を変更しても誰にも文句を言われません。

「一人」を楽しむスキルは、これからの人生を豊かにする最強の武器になります。

新しい友達作りより「緩やかな繋がり」を大切にする

無理に親友を作ろうとする必要はありません。

習い事の教室で挨拶だけ交わす人、行きつけのカフェの店員さん、散歩中に出会う犬友達。名前も知らないけれど、笑顔で挨拶できる「緩やかな繋がり」が、実は一番心地よかったりします。

深く踏み込まない関係こそが、60代の精神衛生を守ってくれます。

自分自身の体を労り、メンテナンスする時間を楽しむ

今まで家族や他人のために使っていたエネルギーを、すべて自分に向けましょう。

美味しいお茶をゆっくり飲む、鍼灸で体を整える、好きな香りの入浴剤を使う。

自分の機嫌を自分で取れるようになると、不思議と寂しさは消えていきます。そして、そんな自立したオーラを纏っていると、自然と同じ波長の素敵な人が引き寄せられてくるものです。

まとめ:友達が離れていく60代は「自分回帰」のチャンス

60代で友達が離れていくこと。それは、寂しいことでも、あなたが劣っていることでもありません。

人生の第2章、あるいは第3章に向けて、人間関係の衣替えをしているだけなのです。

去っていく背中を追うのはもうやめましょう。

その代わりに、今まで後回しにしてきた「自分の心」の手を、しっかりと握ってあげてください。

「一人は寂しい」から「一人は楽しい」へ。

そう思えたとき、あなたの60代は今まで以上に輝き始めます。

心がどうしても晴れない時や、体の不調が気になる時は、いつでも「たま お悩み相談室」を頼ってくださいね。あなたのお話、ゆっくり聞かせていただきます。

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