今、この記事を開いてくださったあなたは、「自分を大切にする方法」がわからなくて、少し立ち止まっているのかもしれませんね。
毎日、仕事や家事、人間関係に追われ、自分のことはいつも後回し。
「ちゃんとしなきゃ」と無意識に頑張りすぎて、心が疲れてしまっていませんか?
周りから「自分を大切にしてね」と言われても、
「“大切にする”って、具体的にどうすればいいの?」
「自分のことを優先するなんて、“わがまま”な気がして…」
優しくて真面目なあなただからこそ、そう戸惑ってしまうんですよね。
大丈夫ですよ。
あなたがそう感じてしまうのは、決してわがままなのではなく、それだけ周りの人を優先し、懸命に頑張ってきた、とても優しい証拠です。
この記事では、「“自分を大切にする”とは、本当はどういうことなのか」そして、「今日からすぐに実践できる、具体的な心の充電ステップ10選」を、あなたの心に寄り添いながら、丁寧にお話ししていきます。
難しく考える必要はありません。
読み終わる頃には、「これならできるかも」という小さな一歩が見つかり、あなたの心がふっと軽くなるお手伝いができれば嬉しいです。

たま先生
『たま お悩み相談室』代表カウンセラー / 鍼灸師
『たま お悩み相談室』の代表として、夫婦関係・人間関係・人生の悩みなど、誰にも言えない気持ちに寄り添いながら、一人ひとりが“自分を大切にできる生き方”をサポートしています。
著書『40歳からの幸せの法則 ― 自分ファーストで心も時間も自由になる』
FM845にて10年以上、ラジオパーソナリティを務める
SNS総フォロワー数:3万人以上
Voicyにてラジオ配信中
- 1. なぜ私たちは「自分を大切にする方法」を見失ってしまうの?
- 1.1. 周りの期待に応えようと「他人軸」で生きていませんか?
- 1.2. 「~すべき」という完璧主義が自分を追い詰めている
- 1.3. 「自分を大切にする=わがまま」という罪悪感と誤解
- 1.4. 過去の経験から「自分は後回し」が当たり前になってしまった
- 2. 【セルフチェック】あなたは大丈夫?心が疲れているサイン
- 2.1. 身体が発するSOS
- 2.2. 心が発するSOS
- 2.3. 行動が発するSOS
- 3. 「自分を大切にする」とは、具体的にどういうこと?
- 3.1. 自分の「快・不快」のサインに気づき、尊重すること
- 3.2. ネガティブな感情も「あっていい」と受け止めること(自己受容)
- 3.3. 自分の心と身体を「メンテナンス」してあげること
- 3.4. 他人との間に「心地よい境界線」を引くこと
- 4. 【実践編】今日からできる「自分を大切にする方法」具体的なステップ10選
- 4.1. 1. 「5分だけ」自分のため時間(好きな飲み物・音楽)を確保する
- 4.2. 2. 自分の身体の声を聴く(「疲れた」「お腹が空いた」に応える)
- 4.3. 3. 今の気持ちをジャッジせずノートに書き出す
- 4.4. 4. 五感を満たす(肌触り、香り、美味しいもの)
- 4.5. 5. 小さな「NO」を言う練習(無理な頼みを断る)
- 4.6. 6. デジタルデトックスで情報を遮断する
- 4.7. 7. 「できたこと」日記で自分を具体的に褒める
- 4.8. 8. 丁寧に呼吸をする(マインドフルネス)
- 4.9. 9. 「まぁいっか」を口癖にして完璧主義を手放す
- 4.10. 10. 寝る前の環境を整え、睡眠を最優先する
- 5. 【考え方編】心がふっと軽くなる「自分を大切にする」ためのマインドセット
- 5.1. 「自分」と「他人」を分離して考える練習
- 5.2. 「どうしたい?(Want)」を自分に問いかける習慣
- 5.3. 「大切にできない自分」も責めない・否定しない
- 6. どうしても自分を大切にできない…そんな時は一人で抱え込まないで
- 6.1. 頑張りすぎて「充電切れ」になっているだけ
- 6.2. 自分を大切にする「やり方」がわからないのは、あなたのせいじゃない
- 6.3. 『たま お悩み相談室』で、あなたの「心の声」を聴く練習から始めませんか?
- 7. まとめ:あなたはもう十分に頑張っています。まずは小さな「できた」から始めましょう
なぜ私たちは「自分を大切にする方法」を見失ってしまうの?
そもそも、どうして私たちはこんなにも自分のことを後回しにしてしまうのでしょうか。
あなたが冷たい人だから? 怠け者だから?
いいえ、決してそんなことはありません。
むしろ、その逆であることが多いのです。
ここには、優しくて真面目な人ほど陥りやすい、いくつかの「心の癖」や「思い込み」があります。
まずは「なぜ大切にできないのか」という、あなたの心の仕組みを一緒に見ていきましょう。
周りの期待に応えようと「他人軸」で生きていませんか?
今日のランチ、あなたは何を食べましたか?
それは、あなたが「本当に食べたい!」と思ったものでしたか?
それとも、「同僚(家族)が食べたいものに合わせた」「手早く済ませられるものにした」という理由で選びましたか?
もちろん、周りに合わせることが悪いわけではありません。
でも、もし日常のあらゆる選択で「あの人はどう思うだろう」「期待に応えなければ」「嫌われたくない」と、他人の気持ちや評価を優先してばかりいるとしたら…。
それは、自分の行動や選択の基準が「他人」になってしまう「他人軸」で生きているサインかもしれません。
あなたのその優しさや協調性は、素晴らしい長所です。
でも、他人を優先しすぎるあまり、あなた自身の「こうしたい」「これは嫌だ」という心の声が、だんだんと聞こえにくくなってしまっているのです。
「~すべき」という完璧主義が自分を追い詰めている
- 「母親なんだから、家事も育児も完璧にすべき」
- 「社会人なんだから、このくらい我慢すべき」
- 「長女(長男)なんだから、しっかりしなきゃ」
あなたは今、こんな風に「~すべき」「~ねばならない」という言葉で、自分自身をがんじがらめに縛り付けていませんか?
あなたはとても真面目で、責任感の強い方なのですね。
だからこそ、無意識のうちに高い理想を掲げ、100点満点を目指してしまいます。
そして、その高い基準で自分を厳しく採点し、「まだ足りない」「もっと頑張らきゃ」と自分を追い詰めてしまう…。これでは、心が休まる暇がありません。
「60点でも大丈夫」と自分を許してあげることも、大切なのですよ。
「自分を大切にする=わがまま」という罪悪感と誤解
「自分が休んだら、他の人に迷惑がかかる」
「自分の意見を言うなんて、わがままだと思われるんじゃないか」
自分を優先することに、強い「罪悪感」を抱いてしまう…。
もしかしたら、これが優しくて協調性の高いあなたを、一番苦しめている原因かもしれません。
でも、少し考えてみてください。
スマートフォンの充電が0%になったら、地図を見たり、大事な連絡を取ったりすることができなくなってしまいますよね。
それと全く同じです。
あなたの心のエネルギーが空っぽになってしまったら、あなたが本当に助けたい人、大切にしたい人を、いざという時に支えることも難しくなってしまいます。
自分を大切にすることは、決して「わがまま」ではありません。
あなたがあなたらしく健やかに笑って過ごすために、そしてあなたの周りの大切な人たちのためにも、必要不可欠な「心の充電」なのです。
過去の経験から「自分は後回し」が当たり前になってしまった
少し、昔のことを思い出してみてください。
子供の頃、こんな風に言われた経験はありませんか?
- 「お姉ちゃんなんだから、我慢しなさい」
- 「わがままを言わないで、良い子にしてなさい」
- 「あなたが我慢すれば丸く収まるんだから」
親や周りの大人の期待に応えようと、自分の「やりたい」「嫌だ」という気持ちをぐっと飲み込み、「良い子」でいようと努めてきたのかもしれません。
その「自分を後回しにする」という生き残り戦略が、大人になった今も「それが当たり前」という無意識のパターンとして、深く根付いてしまっているのです。
でも、もう大丈夫。
あなたはもう、十分に頑張ってきました。
これからは、まずあなた自身の心の声に気づいてあげる練習を、一緒に始めていきましょうね。
【セルフチェック】あなたは大丈夫?心が疲れているサイン
自分を後回しにし続けると、あなたの心や身体は「もうそろそろ限界だよ」「少し休んで」というサインを送り始めます。
でも、いつも「ちゃんとしなきゃ」と頑張っているあなただからこそ、その小さなSOSを見逃してしまいがちなのです。
「なんだか最近、調子が悪いな…」
もしそう感じたら、それはあなたの心が「ここに気づいて」と送っている大切な合図かもしれません。
診断するつもりでなく、今の自分を優しく観察するつもりで、一緒にチェックしてみましょう。
身体が発するSOS
身体はとても正直です。心の疲れは、まず身体に現れることが多いんですよ。
- ベッドに入っても、仕事のことや明日の段取りで頭がいっぱいで、なかなか寝付けない。
- 週末にゆっくり寝だめをしたはずなのに、月曜の朝から身体が重く、疲れがリセットされない感じがする。
- 大好きだったものが、なんだか美味しく感じられない。
- 逆に、甘いものや特定の食べ物ばかりを、お腹が空いていないのに食べてしまう。
- 慢性的な頭痛や肩こり、胃の不調が続いている。
こうした身体の不調は、「もう少しペースを落として」という、あなたの身体からの切実なメッセージかもしれません。
心が発するSOS
心のエネルギーが不足してくると、感情のコントロールが難しくなってきます。
- 以前は大好きだった趣味(音楽、読書、ドラマ鑑賞など)に、なんだか集中できない。楽しいはずなのに、心が動かない。
- ほんの些細なことでイライラしてしまう。家族や同僚の、いつもなら気にならない一言にカチンときたり、強く当たってしまったりする。
- ニュースを見たり、人の話を聞いたりすると、必要以上に落ち込んで引きずってしまう。
- 理由もないのに、ふと涙が出そうになる。漠然とした不安が常にある。
心がワクワクするのを忘れてしまったり、感情の波が激しくなったりしている時、それは心が「充電切れ」になっているサインです。
行動が発するSOS
無意識のうちに、行動パターンにも変化が現れます。
- いつもなら絶対にしないような、うっかりミスが増えた。
- メールの返信や、やらなければいけない家事を、ギリギリまで後回しにしてしまう。
- 友達からの誘いや、人と会うことが面倒に感じる。一人でぼーっとしていたい時間が増えた。
- 朝、布団から出るのが非常につらい。
もし「あ、これ、私かも」と思う項目がいくつかあっても、決して自分を責めないでくださいね。
それはあなたが怠けているのでも、ダメなのでもありません。
それだけ心が疲れているよ、という大切な合図であり、何より、あなたがそのサインに「気づいてあげられた」ということが、とても素晴らしい第一歩なのです。
「自分を大切にする」とは、具体的にどういうこと?
さて、心のSOSに気づくことができたら、次はいよいよ本題です。
「自分を大切にする」とは、一体どういうことなのでしょうか。
それは、特別なことをしたり、高価なものを買ったりすることだけではありません。
日々の生活の中で、自分の「心」と「身体」に、ほんの少し意識を向けてあげることです。
ここでは、その具体的な「心の持ち方」を4つのポイントに分けてお話ししますね。
自分の「快・不快」のサインに気づき、尊重すること
まずは、あなたが「今、どう感じているか」に気づいてあげることです。
- 「あ、この人との電話、なんだかすごく疲れるな」(不快)
- 「このお茶を飲むと、ほっとするな」(快)
- 「この服、肌触りがチクチクして苦手だな」(不快)
- 「窓を開けて、風が入ってくると気持ちいいな」(快)
私たちは毎日、無意識のうちにたくさんの「快」と「不快」を感じていますが、他人軸で生きていると、特に「不快」な感情を「このくらい我慢しなきゃ」と無視してしまいがちです。
まずは「私、今、これを“不快”と感じているんだな」と気づいてあげること。
そして、できる範囲でいいので、その「不快」を避けて、「快」を選んであげること。
この小さな選択の積み重ねが、自分を大切にする土台になります。
ネガティブな感情も「あっていい」と受け止めること(自己受容)
- 「あんなことでイライラするなんて、心が狭いな…」
- 「いつまでも落ち込んで、なんて弱いんだろう…」
- 「あの人を妬ましいと思うなんて、嫌な人間だ…」
あなたは、自分の中に芽生えたネガティブな感情を、こんな風に否定していませんか?
真面目で優しい人ほど、ネガティブな感情を持つ自分を「ダメだ」と責めてしまいがちです。
でも、イライラも、落ち込みも、妬ましさも、人間なら誰でも感じる自然な感情です。それ自体に「良い」「悪い」はありません。
無理に消そうとしたり、「感じてはいけない」と蓋をしたりすると、その感情は行き場を失い、かえって心の中で暴れてしまいます。
「そっか、私、今すごくイライラしてるんだな」
「あの人が羨ましくて、妬ましいって思ってるんだな」
と、どんな感情も「そう感じているんだね」と、ジャッジせずにただ認めてあげること。
それが、自分自身を丸ごと受け止める「自己受容」であり、「自分を大切にする」ことそのものなのです。
自分の心と身体を「メンテナンス」してあげること
あなたは、車や自転車が安全に走れるように、定期的に点検や整備(メンテナンス)をしますよね。
あなたの心と身体も、それと全く同じです。
毎日毎日、あなたのために一生懸命動いてくれている、かけがえのない存在です。
- 疲れたな、と感じたら、5分でも目を閉じて休ませてあげる。
- 栄養のある、身体が喜ぶものを食べさせてあげる。
- お風呂にゆっくり浸かって、一日の疲れを癒してあげる。
- 「いつもありがとう」と心の中で声をかけてあげる。
「まだ頑張れる」と鞭を打つのではなく、あなたがあなたの一番の理解者・パートナーとして、心と身体を丁寧に「メンテナンス」してあげる意識を持つこと。
これが、自分を大切にするということです。
他人との間に「心地よい境界線」を引くこと
これは、特に他人を優先しがちなあなたに、ぜひ知っておいてほしい大切な概念です。
「自分を大切にする」とは、「相手を攻撃する」ことでも「冷たく突き放す」ことでもありません。
「私はここまでならできるけど、ここから先は難しいよ」という、自分と相手との間に「心地よい境界線」を引くことです。
- 相手の機嫌が悪いのは、相手の問題であって、あなたのせいではないと切り離す。
- 無理な頼みごとをされた時に、「できません」と(勇気を出して)伝える。
- 相手の愚痴に引きずられそうになったら、そっと心の距離を置く。
これは「わがまま」ではなく、相手の領域にも踏み込まないかわりに、自分の領域(時間、エネルギー、感情)も相手に侵食させない、お互いを尊重するための大切なスキルなのです。
「自分を大切にする方法」がわからなかったのは、この「境界線」の引き方を知らなかっただけかもしれませんね。
【実践編】今日からできる「自分を大切にする方法」具体的なステップ10選
お待たせしました。ここからは、「自分を大切にする」ための、さらに具体的な行動ステップをご紹介しますね。
「全部やらなきゃ!」と意気込む必要はまったくありませんよ。
「これならできそう」と感じるものを、まずは1つだけ、あなたの生活に取り入れてみることから始めてみてください。
大切なのは、「やること」自体よりも、「自分のために行動してあげた」という、その気持ちです。
1. 「5分だけ」自分のため時間(好きな飲み物・音楽)を確保する
「自分を大切にする時間なんて、忙しくて取れない」
真面目なあなたほど、そう思ってしまいますよね。
だからこそ、「5分だけ」でいいのです。
1日にたった5分、あなたのためだけの時間を作ってみましょう。
- お気に入りのマグカップで、紅茶やコーヒーを「味わって」飲む。(スマホを見ながら、仕事をしながら、ではなく)
- 大好きな音楽を1曲だけ、目を閉じて真剣に聴いてみる。
- 窓辺でぼーっと空を眺める。
大切なのは「何もしないこと」を自分に許可し、その5分間を「自分のためだけに」意図して使うことです。
2. 自分の身体の声を聴く(「疲れた」「お腹が空いた」に応える)
私たちはつい、「まだ頑張れる」とカフェインを流し込んだり、「時間がないから」と食事をかきこんだりして、身体からの小さなサインを無視してしまいがちです。
あなたの身体は、あなたの一番の味方です。
その声に、優しく耳を傾けてみましょう。
- 「疲れたな」と感じたら、アラームが鳴るまで無理せず、5分だけ目を閉じる。
- 「お腹が空いたな」と思ったら、「何で済ますか」ではなく「何が“食べたい”?」と自分に聞いてみる。
- 「肩が凝ったな」と感じたら、その場で腕をぐーっと伸ばしてみる。
あなたの身体を、機械ではなく、大切なパートナーとして扱ってあげてくださいね。
3. 今の気持ちをジャッジせずノートに書き出す
心の中にモヤモヤやイライラが溜まっている時、それを「感じないようにしよう」と抑え込むのは逆効果です。
そんな時は、ノートとペンを用意して、頭に浮かぶことをそのまま全部、書き出してみましょう。これは「ジャーナリング」と呼ばれる心理的な手法です。
- 「あの人にあんなこと言われて、めちゃくちゃ腹が立った!」
- 「なんで私ばっかり…って、悲しくなった」
- 「明日が不安でたまらない」
誰にも見せる必要はありません。
大切なのは、「こんなことを思うなんてダメだ」とジャッジ(評価)せず、「そっか、私は今、こんな風に感じているんだな」と、そのままの感情を外に出して、認めてあげることです。
4. 五感を満たす(肌触り、香り、美味しいもの)
不安や考え事で頭がいっぱいになっている時、私たちは「今ここ」にいません。
そんな時は、身体の「五感」(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を使って、意識を「今」に戻してあげましょう。
- 肌触りのいい、ふわふわのタオルや毛布に触れる。
- お気に入りのハンドクリームやアロマの「香り」を深く吸い込む。
- 一粒のチョコレートを、舌の上でゆっくり「味わって」溶かしてみる。
- 雨の音や、風の音にじっと耳を澄ませてみる。
「心地いいな」と感じる感覚に意識を集中させることは、手軽にできる最高のリラクゼーションですよ。
5. 小さな「NO」を言う練習(無理な頼みを断る)
他人を優先してしまう優しいあなたにとって、「断る」ことは一番ハードルが高いステップかもしれませんね。
だから、いきなり大きな「NO」を言う必要はありません。
ごくごく「小さなNO」から練習してみましょう。
- 「これ、今すぐお願いできる?」→「急ぎでなければ、10分後でもいいですか?」
- (興味のない誘い)→「ごめん、今日はやめておくね」
- 「これもお願い」→「それは難しいけれど、ここまでならできますよ」
これは相手を拒絶することではなく、あなたの限られたエネルギーや時間を守るための大切な練習(境界線を引く練習)です。
「自分の気持ちも伝えていいんだ」という成功体験を、小さく積んでいきましょう。
6. デジタルデトックスで情報を遮断する
スマートフォンやPCから流れてくる情報は、あなたが思っている以上に、あなたの心のエネルギーを消耗させています。
特にSNSでは、無意識のうちに他人と自分を比べて落ち込んでしまうことも…。
意識的に、デジタル情報から離れる時間を作ってみましょう。
- 朝起きてすぐの10分間は、スマホに触らない。
- 夜寝る前の30分間は、スマホを別の部屋に置く。
- 食事の間は、通知をオフにする。
最初はそわそわするかもしれませんが、頭の中が静になる感覚を味わえるはずです。
7. 「できたこと」日記で自分を具体的に褒める
完璧主義のあなたは、「できなかったこと」を見つけて反省するのは得意でも、「できたこと」に目を向けるのは苦手かもしれません。
今日から寝る前に、「今日、自分ができたこと」を3つだけ、書き出してみませんか?
- 「朝、時間通りに起きられた」
- 「苦手な〇〇さんに挨拶できた」
- 「夜ご飯をちゃんと作った(食べた)」
- 「子供の話を(イライラせず)聞けた」
こんな些細なことで構いません。「ちゃんとできてるじゃん」と、具体的に自分を認めてあげること。これが自己肯定感を育てる確実な一歩になります。
8. 丁寧に呼吸をする(マインドフルネス)
不安や焦りを感じている時、私たちの呼吸は浅く、速くなっています。
そんな時は、「呼吸」に意識を向けてみましょう。
やり方は簡単です。
「4秒かけて鼻から息を吸い、4秒息を止め、6秒かけて口からゆっくり吐き出す」
これを1分間、ただ呼吸にだけ集中して繰り返します。
呼吸は、自律神経を整えることができる唯一の方法です。
「あ、今疲れてるな」と気づいたら、その場で1分、試してみてください。頭がスッとクリアになりますよ。
9. 「まぁいっか」を口癖にして完璧主義を手放す
「~すべき」と自分を追い詰めてしまいそうな時、心の中で(あるいは口に出して)唱えてほしい魔法の言葉があります。
それが、「まぁいっか」です。
- 「夕飯、手抜きになっちゃったけど…まぁいっか」
- 「部屋が散らかってるけど…まぁいっか、明日やろう」
- 「今日の仕事、80点だったけど…まぁいっか」
これは「諦め」ではなく、100点満点ではない自分を「許してあげる」ための、積極的な言葉です。
あなたを縛り付けている「完璧主義」の鎖を、この言葉で少しずつ緩めてあげましょう。
10. 寝る前の環境を整え、睡眠を最優先する
自分を大切にする方法の土台であり、最強の方法は、「質の良い睡眠」をとることです。
心が疲れている時ほど、私たちは睡眠をおろそかにしがちです。
- 寝る1時間前からは、部屋の照明を暗くする。
- 激しい運動や、考え事(仕事や悩み事)は避ける。
- リラックスできる音楽を聴いたり、軽いストレッチをしたりする。
- 「今日も一日お疲れ様」と自分に声をかけてから、布団に入る。
「夜更かしして自分の時間を取り戻す」のではなく、「明日の自分のために、しっかり休む」こと。
これこそが、未来の自分への一番の思いやりですよ。
【考え方編】心がふっと軽くなる「自分を大切にする」ためのマインドセット
さて、具体的な「行動」のステップに加えて、ここでは「心の持ち方=マインドセット」についてもお話ししますね。
行動を変えるのは少し勇気がいるかもしれませんが、考え方を少し変えてみるだけなら、今すぐにでもできるかもしれません。
「こんな風に考えてみてもいいんだな」と、リラックスして読んでみてください。
「自分」と「他人」を分離して考える練習
他人軸で生きている優しいあなたは、無意識のうちに「自分」と「他人」の心の境界線が曖昧になりがちです。
- 「あの人が不機嫌なのは、私のせいかもしれない…」
- 「私が(我慢して)なんとかしなければ、場が収まらない…」
- 「パートナーの悩みは、私の悩みと同じだ…」
こんな風に、他人の感情や課題まで、自分のものとして背負い込んでしまっていませんか?
それは、とても苦しい生き方です。
ここで大切なのが、「課題の分離」という考え方です。
「相手がどう感じるか、どう行動するか」は、“相手の課題”です。
「あなたがどう感じ、どう行動するか」は、“あなたの課題”です。
「あの人が不機嫌だな」と感じても、「それは相手の課題。私のせいとは限らない」と、心の中でそっと線を引く。
相手の機嫌を取ろうとしたり、過度に責任を感じたりしなくていいのです。
あなたはあなたのままで大丈夫。相手の感情に振り回されず、自分の「心地よさ」を守ってあげることを優先してみましょう。
「どうしたい?(Want)」を自分に問いかける習慣
私たちは毎日、「何をすべきか(Should/Must)」に追われて生きています。
- 「朝ご飯を作らなきゃ」
- 「メールを返信しなきゃ」
- 「頼まれた仕事をしなきゃ」
もちろん、それも生きていく上で大切なことです。
でも、その「~すべき」ばかりになっていると、あなたはどんどんすり減ってしまいます。
だからこそ、一日に何度か、自分自身にこう問いかけてみてください。
「(本当は)私は、どうしたい?」と。
- 「ランチ、本当は何が食べたい?」
- 「週末、本当はどう過ごしたい?」
- 「この誘い、本当は行きたい?」
最初は「どうしたいかなんて、わからない…」と感じるかもしれません。
他人を優先するあまり、自分の「Want(~したい)」という声が、とても小さくなってしまっているからです。
すぐに望み通りに行動に移せなくても構いません。
まずは「あ、私、本当はパスタが食べたかったんだな」「本当は家でゴロゴロしたかったんだな」と、自分の本心に「気づいてあげる」こと。
この問いかけこそが、失いかけていた「自分軸」を取り戻すための、何より大切な第一歩なのです。
「大切にできない自分」も責めない・否定しない
この記事をここまで読んでくださったあなたは、きっと「よし、今日から自分を大切にしてみよう」と思ってくださっていることでしょう。
でも、もしかしたら、数日後にはまたいつもの癖で、自分を後回しにしてしまうかもしれません。
- 「あぁ、また我慢してしまった…」
- 「5分の時間も取れなかった…」
- 「やっぱり私には、自分を大切にするなんて無理なんだ…」
そんな時、絶対に、自分を責めないでください。
長年かけて身につけてきた「心の癖」は、そう簡単には変わりません。変わらなくて当然なのです。
三日坊主になってしまう自分も、また我慢してしまう自分も、全部ひっくるめて、あなた自身です。
そんな時は、
「あ、私、今、自分を大切にできなかったな。そっかそっか、それだけ疲れてるんだな」
「また自分を責めてるな。それだけ真面目に頑張ろうとしてる証拠だな」
と、「そんな自分」のことも、優しく受け止めて(自己受容して)あげてください。
完璧に自分を大切にしようとすること自体が、新たな「~すべき」という完璧主義になってしまいます。
「できたり、できなかったり」を繰り返しながら、ゆっくりゆっくり進んでいけばいいんですよ。
どうしても自分を大切にできない…そんな時は一人で抱え込まないで
ここまで、たくさんのステップや考え方をお話ししてきました。
でも、もしあなたが、
「頭ではわかっているけど、どうしてもできない」
「実践しようとすると、やっぱり罪悪感が湧いてきて苦しい」
「そもそも、自分の『どうしたい?』が本気でわからない…」
そんな風に感じていたとしても、どうか自分を責めないでくださいね。
頑張りすぎて「充電切れ」になっているだけ
あなたが自分を大切にできないのは、あなたの心が冷たいからでも、努力が足りないからでもありません。
それは例えるなら、スマートフォンの充電が完全に「0%」になってしまっている状態です。
充電がゼロの状態では、どんなに「電源ボタン」を押しても(=大切にしようと頑張っても)、スマートフォンは動きませんよね。
今のあなたに必要なのは、「もっと頑張ること」ではなく、まずは安全な場所で、ゆっくりと「充電」することなのです。
自分一人で充電するのが難しいほど、あなたは今まで、本当に懸命に頑張ってこられたのですね。
自分を大切にする「やり方」がわからないのは、あなたのせいじゃない
これまでお話ししてきたように、私たちが「自分を後回し」にしてしまう背景には、過去の経験や、無意識の思い込みが深く関係しています。
つまり、「自分を大切にする方法」を知る機会がなかったり、「自分より他人を優先する」というやり方でしか、これまでうまく生きてこられなかったりしただけなのです。
それは、あなたのせいでは決してありません。
自転車の乗り方を教わらなければ乗れないのと同じで、自分を大切にする「やり方」や「心の癖のほどき方」も、練習が必要なのです。
『たま お悩み相談室』で、あなたの「心の声」を聴く練習から始めませんか?
もし、一人でその「心の癖」と向き合うのが苦しいと感じたら…。
もし、あなた自身の「どうしたい?」という心の声が、どうしても聞こえないと感じたら…。
そんな時は、どうか一人で抱え込まず、私たちカウンセラーを頼ってください。
カウンセリングは、特別な場所ではありません。
安全で、安心できる場所で、あなたを否定する人が誰もいない環境で、あなたの本当の気持ちを、あなたのペースで話す場所です。
私たち「たま お悩み相談室」は、あなたが心の奥底にしまい込んできた、小さな「嫌だ」「つらい」「本当はこうしたい」という声を、一緒に、ゆっくりと聴いていくプロフェッショナルです。
「こんなこと話してもいいのかな…」とためらう必要は一切ありません。
あなたが「自分を大切にするって、こういうことだったんだ」と心から実感し、あなたらしい笑顔を取り戻せる日まで、全力で伴走します。
まとめ:あなたはもう十分に頑張っています。まずは小さな「できた」から始めましょう
この記事では、「自分を大切にする方法」がわからないと感じている優しいあなたへ、その原因と、今日からできる具体的な10のステップ、そして心の持ち方についてお話ししてきました。
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございます。
もしかしたら、「やらなきゃいけないことが10個も増えた…」なんて、真面目なあなたは感じてしまったかもしれません。
でも、そんな風に思わなくて大丈夫ですからね。
あなたはもう、今この瞬間も、十分に頑張っています。
この記事を読んで、「自分を大切にしたい」と願っている。
その気持ちを持っていること自体が、何よりも素晴らしい「自分を大切にする」第一歩なのです。
完璧にできなくていいんです。
まずは、「できたこと日記」を一つだけ書いてみる。
お気に入りの紅茶を、5分だけ味わって飲んでみる。
そんな、あなたにとって一番ハードルの低い「小さなできた」を、一つだけ見つけてみてください。
そして、それができた自分を、「よしよし、えらいぞ」と、うんと褒めてあげてくださいね。
あなたが、あなた自身のことを「一番の味方」として認め、心からの笑顔で過ごせる日が来ることを、たま先生は心から応援しています。


