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【経絡治療とは】痛くない鍼で体質改善?自律神経や更年期の不調を整えるメカニズムを院長が解説

皆さんは「鍼治療(はりちりょう)」と聞くと、どんなイメージを持ちますか?

「肩こりや腰痛に効きそう」と思う反面、「体に鍼を刺すなんて痛そう…」「怖い」と感じている方も多いのではないでしょうか。

実は、鍼灸の世界には「経絡治療(けいらくちりょう)」という、ほとんど痛みを感じさせずに全身のバランスを整える伝統的な手法があります。

  • 「病院で検査しても『異常なし』と言われるけれど、なんとなく体調が悪い」
  • 「更年期に入ってから、イライラやほてり、急な汗に悩まされている」
  • 「冷え性がひどくて、夜もなかなか眠れない」

もしあなたが今、こんな不調を抱えているなら、それは体の「経絡(けいらく)」の巡りが滞っているサインかもしれません。

今回は、鍼灸師である私が、不思議で優しい「経絡治療」の世界と、そのメカニズムについて分かりやすく解説します。

最後には、治療院に通わなくても自宅で経絡を整えられる方法もご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

監修者
たま先生(中森万美子)の写真

中森万美子鍼灸院 院長

たま先生(中森万美子)

鍼灸師・心理カウンセラー。「心身一如」を掲げ、東洋医学(体)と心理学(心)の両面から、40代以降の更年期・自律神経の悩みに寄り添う。
FM845パーソナリティや歌手としても活動し、その声と人柄はSNS総フォロワー4万人超に支持されている。著書『40歳からの幸せの法則』。

そもそも「経絡治療」とは?普通の鍼治療との決定的な違い

「鍼灸院なんてどこも同じでしょ?」と思われがちですが、実は治療のアプローチには大きな違いがあります。大きく分けると「現代医学的な鍼灸」「東洋医学的な経絡治療」の2つです。

「森を見て木を治す」全身調整のアプローチ

経絡治療の最大の特徴は、「患部(痛いところ)だけを見ない」ということです。

東洋医学には「心身一如(しんしんいちにょ)」という言葉があり、身体と精神は一体であると考えます。また、人体を一つの有機的なつながりを持った統一体として捉えます。

例えば、「肩こり」で来院された患者様に対して、肩だけに鍼を打つことはほとんどありません。なぜなら、東洋医学では「肩こりは、全身のバランスが崩れた結果として現れたサイン(標)」だと考えるからです。

  • ストレスで気が滞っているから、肩が張るのか?(気滞)
  • 胃腸が弱っていて血が足りないから、首筋が凝るのか?(血虚)
  • 冷えで水の巡りが悪くなっているから、重だるいのか?(水毒・寒湿)

このように、「森(全身の状態)」を見て、不調の根本原因(本)を探り出し、「木(肩こりなどの症状)」を治していくのが経絡治療です。

根本原因である「体質」から改善していくため、肩こりの治療をしていたら「いつの間にか不眠も治っていた」「生理痛が軽くなった」という嬉しい副次効果が起きやすいのも特徴です。

現代医学的な鍼(局所治療)と何が違うの?

一方、整骨院や多くの鍼灸院で行われている「現代医学的な鍼」は、解剖学や生理学に基づいています。

  • 筋肉のコリ(硬結)に直接鍼を刺して緩める
  • 神経を刺激して痛みをブロックする

これらは「局所治療」と呼ばれ、痛みに対して即効性がある素晴らしい治療法です。

しかし、「原因不明のダルさ」や「自律神経の乱れ」といった、筋肉や神経だけでは説明がつかない不調(不定愁訴)に対しては、全身のエネルギーバランスを診る「経絡治療」の方が得意とする場合が多いのです。

実は「痛くない」が基本。接触鍼(ていしん)と浅い鍼

「経絡治療」を選ばれる患者様が一番驚かれるのが、「えっ、もう鍼を打ったんですか?」という感覚です。

経絡治療では、筋肉の深層までズドンと鍼を刺すことは稀です。

皮膚の表面にある「気」の流れを調整することが目的なので、「接触鍼(ていしん)」と呼ばれる刺さない鍼で皮膚をなでたり、髪の毛ほどの細い鍼をごく浅く(数ミリ程度)刺したりするだけの優しい刺激が基本です。

鍼の響き(ズーンとする感覚)や痛みが苦手な方、敏感な方、初めて鍼灸を受ける方にこそ、経絡治療はおすすめです。

なぜ効くの?東洋医学の「気・血・水」と「経絡」の仕組み

では、なぜ手足のツボを刺激するだけで、肩こりや内臓の不調が整うのでしょうか?

そこには東洋医学独自の「人体ネットワーク」の考え方があります。

体の中を走る線路「経絡(けいらく)」と駅「経穴(ツボ)」

東洋医学では、私達の体には「気(き)・血(けつ)・水(すい)」という3つの構成要素が巡っていると考えます。(※専門的には「水」は「津液(しんえき)」とも呼ばれます)

  • 気:生命エネルギー、体を動かす原動力、温める力、防御する力
  • 血:全身に栄養を届ける赤い液体
  • 水(津液):血液以外の体液、体を潤す水

この「気・血・水」が流れる通り道のことを「経絡(けいらく)」と呼びます。

イメージとしては、体中に張り巡らされた「線路」のようなものです。そして、その線路の上にある「駅」にあたるのが「経穴(けいけつ)」、いわゆるツボです。

経絡は、内臓(五臓六腑)と手足、皮膚などを網の目のように繋いでいます。だからこそ、手足にある「駅(ツボ)」を刺激することで、遠く離れた「線路(経絡)」を通じて、内臓や肩、腰などの不調にアプローチできるのです。

不調の原因は「気・血・水」の渋滞や不足にある

健康な状態とは、この「気・血・水」がバランスよく、サラサラと全身を巡っている状態です。

しかし、ストレスや冷え、生活習慣の乱れなどが原因で、この巡りが滞ったり(渋滞)、不足したり(ガス欠)すると、不調が現れます。

気の滞り(気滞)
イライラ、喉のつかえ、お腹の張り

血の不足(血虚)
めまい、不眠、肌の乾燥、顔色が悪い

水の停滞(水毒・湿)
むくみ、頭重感、冷え、めまい

経絡治療では、鍼やお灸を使ってこの「渋滞」を解消し、不足しているものを補うことで、スムーズな流れを取り戻すお手伝いをします。流れが良くなれば、体は自然と本来の元気(自然治癒力)を取り戻していくのです。

脈やお腹を診るだけで悪いところがわかる理由(四診)

経絡治療の診察では、「脈診(みゃくしん)」「腹診(ふくしん)」を非常に重視します。これらは東洋医学の診断法である「四診(ししん)」の一部です。

「肩が痛い」と言っているのに、先生が手首の脈をじっと診たり、お腹を優しく押したりするのはなぜでしょうか?

それは、脈やお腹には、全身の経絡や五臓六腑の状態が鏡のように映し出されるからです。

  • 脈が浮いているか、沈んでいるか(病気の深さや勢い)
  • お腹のどこに冷えや硬さ、弾力があるか(臓腑の虚実)

これらを読み解くことで、「今は肝(かん)の経絡が疲れているな」「腎(じん)のエネルギーが不足しているな」といった、レントゲンには映らない体の情報をキャッチしているのです。

経絡治療はこんな悩みを持つ女性におすすめです

経絡治療は、体全体のバランスを整えるため、特定の病名がつかない不調や、慢性的な悩みに力を発揮します。特にホルモンバランスの変化を感じやすい40代〜60代の女性には、心強い味方となるでしょう。

病院では異常なしと言われた「不定愁訴・自律神経の乱れ」

「なんとなくダルい」「やる気が出ない」「頭が重い」…。

病院で検査をしても数値は正常。でも、辛い。そんな「不定愁訴」は、東洋医学が最も得意とする分野です。

これらは「気・血」の巡りが悪くなっている「未病(みびょう)」のサイン。経絡治療で自律神経の働きを整えることで、スッキリとした体調を取り戻せます。

薬に頼りたくない「更年期障害」や「生理の悩み」

ホットフラッシュ、多汗、イライラ、気分の落ち込みなど、更年期特有の症状は、ホルモンバランスの急激な変化によって「気」が逆上したり、「血」が不足したりすることで起こります。

経絡治療で、老化とともに減少する「腎」のエネルギー(精)を補い、高ぶった「気」を鎮めることで、薬に頼りすぎず、穏やかに更年期を過ごすサポートができます。

慢性的な「冷え性」や「むくみ」を根本から変えたい

「手足が氷のように冷たい」「夕方になると足がパンパン」というのは、体内の「水」が停滞し、「血」が巡っていない証拠です。

お灸や鍼で経絡を温め、巡りを良くすることで、内側からポカポカと温かい体質へと導きます。体温が上がれば、免疫力アップ代謝アップにもつながりますよ。

治療院に行けない時は?自分でできる「経絡」ケアの重要性

ここまで読んで、「経絡治療を受けてみたい!」と思ってくださった方もいるかもしれません。

しかし、「近くに良い鍼灸院がない」「忙しくて通う時間がない」「やっぱり鍼は少し怖い」という方もいらっしゃるでしょう。

実は、経絡を整える方法は「鍼」だけではありません。

鍼を打たなくても「経絡」は整えられる

経絡は、体の表面(皮膚や筋肉)とも深くつながっています。

鍼を刺さなくても、経絡の流れに沿って体を動かしたり、伸ばしたり(ストレッチ)するだけで、滞った「気・血」を流すことは十分に可能です。

むしろ、毎日の生活の中でコツコツと経絡を意識して動かすことのほうが、週に1回の治療よりも、長期的な体質改善には重要だったりします。

東洋医学の知恵「養生(ようじょう)」で治る力を引き出す

東洋医学には「養生(ようじょう)」という言葉があります。これは「生命を養う」という意味で、食事や睡眠、運動など、日々の生活習慣で体を整えることを指します。

自分の体質を知り、自分に合ったセルフケアを行うこと。これこそが、最高の治療であり予防です。

私が院長を務める中で、「先生に治してもらう」という受け身の姿勢よりも、「自分で自分の体を良くしよう」と養生を取り入れた患者様の方が、圧倒的に治りが早いことを実感してきました。

1日60分で体が変わる「たま式 養生経絡ストレッチ」とは

そこで、「治療院に来られない方でも、自宅で経絡治療のような効果を感じてほしい」という想いから考案したのが、「たま式 養生経絡ストレッチ」です。

これは、難しいポーズをとるヨガや、激しい筋トレではありません。

東洋医学のプロである私が、経絡の走行ラインに基づいて設計した、「体を伸ばすだけでツボを刺激し、気血の巡りを良くする」オリジナルのプログラムです。

特徴1
40代〜60代の女性でも無理なくできる、ゆったりとした動き

特徴2
「肝・心・脾・肺・腎」の経絡をまんべんなく刺激し、内臓から元気に

特徴3
オンライン(Zoom)だから、ノーメイク・部屋着のままでOK!

鍼やお灸の道具がなくても、あなたの体一つで始められます。

「最近、体が硬くなった」「疲れが取れない」「自分の体をいたわりたい」と感じているなら、まずはストレッチから経絡ケアを始めてみませんか?

まとめ

経絡治療は、あなたの体が本来持っている「治る力(自然治癒力)」を目覚めさせる、とても優しく、奥深い治療法です。

「痛み」や「不調」は、体からの「休んでほしい」「巡らせてほしい」というメッセージ。

その声を無視せず、経絡の滞りを解消してあげることで、体は必ず応えてくれます。

まずは自分の体の声を聞くことから始めましょう。

もし、「近くに鍼灸院がない」「自分でもケアしたい」と思われたら、ぜひ私が直接指導するオンラインレッスンを体験してみてください。

画面越しですが、鍼を打つのと同じくらい心を込めて、あなたの経絡を整えるお手伝いをさせていただきます!

▼自宅で体質改善!「たま式 養生経絡ストレッチ」の詳細はこちら

参考資料

心も体もととのう 漢方の暮らし365日

著者
川手鮎子
発行所
自由国民社
発行日
2021.09.28
出版社サイトを見る
参考資料

東洋医学はなぜ効くのか ツボ・鍼灸・漢方薬、西洋医学で見る驚きのメカニズム

著者
山本高穂、 大野智
発行所
講談社ブルーバックス
発行日
2024.05.16
出版社サイトを見る
参考資料

オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書

監修
平馬直樹、浅川要、辰巳洋
発行所
株式会社ナツメ社
発行日
2014.01.20
出版社サイトを見る

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