「あ、今日は予定が何もない」
「急に時間が空いてしまったけれど、何をしたらいいのかわからない」
そんなふうに感じて、スマートフォンで「50代女性 暇つぶし」と検索されたのではないでしょうか?
まず、私からあなたに伝えたいことがあります。
「暇ができること」は、あなたがこれまで一生懸命走り続けてきたご褒美なんですよ。
これまで家族のため、仕事のために自分の時間を捧げてきたあなただからこそ、急に訪れた空白の時間に戸惑ってしまうのは当然のこと。決して「やることがない自分」を責めないでくださいね。
今日は、鍼灸師でありカウンセラーでもある私の視点から、50代の女性が心と体をいたわりながら、お金をかけずに充実した時間を過ごすためのヒントをお届けします。
たま先生(中森 万美子)
「中森万美子鍼灸院」院長、「たま お悩み相談室」代表カウンセラー。 東洋医学で体を整え、カウンセリングで心に寄り添う「心身一如」のケアが信条。 FM845パーソナリティ。SNSフォロワー4万人超。著書『40歳からの幸せの法則』。
- 1. 50代女性が「暇つぶし」を探したくなる本当の理由
- 1.1. 家族のためのがんばりが一段落した「空の巣」のサイン
- 1.2. なぜ「生産性がない時間」に罪悪感を持ってしまうのか
- 1.3. 更年期のホルモンバランスと心境の変化
- 2. 家で一人でできる!50代女性におすすめの暇つぶし【インドア編】
- 2.1. 脳トレや大人の塗り絵で「無心」になり自律神経を整える
- 2.2. お灸やセルフマッサージで更年期の体をケアする
- 2.3. 断捨離は「思い出の整理」。心も部屋もスッキリさせる
- 3. お金をかけずに気分転換。外に出て楽しむ暇つぶし【アウトドア編】
- 3.1. 近所の氏神様へのお参りは最高の散歩コース
- 3.2. 図書館や美術館で静かな空間に身を置く
- 3.3. 一人カフェで読書や人間観察を楽しむ
- 4. スマホ一つで完結。賢く楽しむ50代の暇つぶし
- 4.1. ポイ活やアンケートモニターで小さなお得感を味わう
- 4.2. 無料の学習アプリで脳を活性化させる
- 4.3. 【注意】SNSを見すぎて落ち込まないためのデジタルデトックス
- 5. 「暇つぶし」すらやる気が起きない時は要注意?
- 5.1. その倦怠感やイライラは更年期の影響かもしれません
- 5.2. 無理に動かず自分の体の声を聞くことも大切
- 5.3. 心と体のSOSに気づくためのセルフチェック
- 6. 50代からの時間は「余生」ではなく「黄金の時間」です
- 6.1. 誰かのためではなく、自分のために時間を使う贅沢
- 6.2. 孤独や不安を感じたら一人で抱え込まないで
50代女性が「暇つぶし」を探したくなる本当の理由
そもそも、なぜ50代になると急に「暇つぶし」を探したくなるのでしょうか。
単に時間ができたから、というだけではありません。そこには、女性のライフステージ特有の心と体の変化が隠れています。
家族のためのがんばりが一段落した「空の巣」のサイン
お子さんが就職や結婚で家を出たり、あるいは手がかからなくなったりしていませんか?
これまで「お母さん」としての役割で埋まっていたスケジュールが空白になると、心にぽっかり穴が開いたような寂しさを感じることがあります。これはいわゆる「空の巣症候群」の一種。
暇を感じる寂しさは、あなたが今までどれだけ愛情深く家族に向き合ってきたかの証(あかし)なのです。
なぜ「生産性がない時間」に罪悪感を持ってしまうのか
私たち世代は、「時間を無駄にしてはいけない」「常に何かの役に立っていなければならない」という価値観を強く持っている方が多いです。
そのため、ただのんびりすることに罪悪感を抱き、「何か暇つぶしをしなきゃ(=何か生産的なことをしなきゃ)」と焦ってしまうのです。
でも、もう十分がんばりましたよね? これからは「自分の機嫌をとるため」だけに時間を使っていいステージに入ったのです。
更年期のホルモンバランスと心境の変化
50代は閉経を挟んだ更年期にあたります。女性ホルモン(エストロゲン)の減少により、自律神経が乱れやすくなります。
「以前好きだった趣味に興味が持てなくなった」「出かけるのが億劫になった」というのは、実は性格の問題ではなく、ホルモンバランスの影響かもしれません。
無理にアクティブになろうとせず、今の自分に合ったペースを見つけることが大切です。
家で一人でできる!50代女性におすすめの暇つぶし【インドア編】
「今日はなんとなく外に出たくないな」という日におすすめの、自宅でできる過ごし方です。
脳トレや大人の塗り絵で「無心」になり自律神経を整える
複雑なことを考えすぎて頭が疲れていませんか?
数独などの脳トレや、大人の塗り絵に没頭すると、脳が「マインドフルネス(瞑想)」に近い状態になります。
「上手くやらなきゃ」と思わずに、ただ手を動かす作業は、乱れがちな自律神経を整えるのにとても効果的ですよ。
お灸やセルフマッサージで更年期の体をケアする
鍼灸師として一番おすすめしたいのが、ご自身での身体のケアです。
ドラッグストアで買えるシールタイプのお灸を、「三陰交(さんいんこう:内くるぶしから指4本分上)」などのツボに据えてみてください。
お灸のやわらかい温かさを感じながらボーッとする時間は、最高の暇つぶしであり、最強のセルフケアです。
断捨離は「思い出の整理」。心も部屋もスッキリさせる
もし気力があるなら、引き出し一つ分だけの断捨離をしてみましょう。
50代からの断捨離は、単に物を捨てるだけでなく「これからの人生に何が必要か」を選び取る作業です。
「今の私にはもう必要ないかな」と手放すことで、物理的な空間だけでなく、心のモヤモヤもスッキリと晴れていきます。
お金をかけずに気分転換。外に出て楽しむ暇つぶし【アウトドア編】
少し外の空気を吸いたいけれど、遠出は疲れるしお金も使いたくない。そんな時にぴったりの過ごし方です。
近所の氏神様へのお参りは最高の散歩コース
特別な観光地の神社でなくても構いません。ご近所の氏神様へお参りに行ってみましょう。
境内には清々しい空気が流れています。手を合わせ、感謝を伝えるだけで、不思議と背筋が伸びて心が落ち着きます。
誰かと話す必要もなく、自分のペースで歩くことは、更年期の運動不足解消にもつながります。
図書館や美術館で静かな空間に身を置く
図書館や公立の美術館は、静寂が約束された場所です。
本を読まなくても、ただ静かな空間に身を置き、背表紙を眺めるだけでも十分。
日常の喧騒から離れ、活字やアートに触れることで、忘れていた好奇心がふと顔を出すかもしれません。
一人カフェで読書や人間観察を楽しむ
チェーン店のカフェでもいいので、一人で入ってみましょう。
スマホを見るのではなく、窓の外を歩く人を眺めたり、持参した本を数ページ読んだり。
「誰かのために淹れるお茶」ではなく「誰かに淹れてもらうお茶」を飲む時間は、主婦にとって何よりの贅沢な暇つぶしです。
スマホ一つで完結。賢く楽しむ50代の暇つぶし
ベッドやソファで横になりながらでもできる、スマホを使った過ごし方です。
ポイ活やアンケートモニターで小さなお得感を味わう
「何もしていない」という罪悪感を消すのにぴったりなのがポイ活です。
歩くだけでポイントが貯まるアプリや、簡単なアンケートに答えるサイトなど。
金額は小さくても「今日の暇つぶしがコーヒー1杯分になった」という成果は、ちょっとした達成感と自信を与えてくれます。
無料の学習アプリで脳を活性化させる
語学や漢字検定など、無料の学習アプリはたくさんあります。
50代からの学び直しは、誰かと比べる必要がありません。
「昨日は知らなかった単語を一つ覚えた」。その小さな成長が、毎日にハリを与えてくれます。
【注意】SNSを見すぎて落ち込まないためのデジタルデトックス
暇つぶしにSNSを見るのは楽しいですが、注意も必要です。
同年代の友人がキラキラしたランチや旅行の写真を投稿しているのを見て、「私は家でゴロゴロしているだけ…」と落ち込んでしまったことはありませんか?
SNSは他人の「一番いい瞬間」を切り取ったもの。あなたの日常と比べる必要はありません。
もし見ていて心がザワつくなら、そっとスマホを置くのも立派な「自分を守る選択」です。
「暇つぶし」すらやる気が起きない時は要注意?
「暇つぶしを探したいけれど、そもそも何をやるのも億劫で、スマホを見るのも疲れる…」
もしそう感じているなら、それはただの怠け心ではないかもしれません。
その倦怠感やイライラは更年期の影響かもしれません
50代女性の場合、「やる気が起きない」「なんとなく不安」というのは、更年期特有の不定愁訴(ふていしゅうそ)である可能性が高いです。
「暇があるのに楽しめない私」を責めるのではなく、「今は体が休息を求めているんだな」と捉え直してください。
無理に動かず自分の体の声を聞くことも大切
そんな時は、無理に暇つぶしを探さなくて大丈夫。
横になって目を閉じ、自分の呼吸に意識を向けるだけでもいいんです。
「何もしない」という休息を、積極的に取りに行きましょう。
心と体のSOSに気づくためのセルフチェック
「今のこの不調は、更年期のせいなの? それともただの疲れ?」
そう迷ったら、一度ご自身の状態を客観的にチェックしてみることをおすすめします。
私が作成した簡単なセルフチェックリストで、今のあなたの心と体の状態を確認してみませんか?
【更年期診断】イライラ・不調はサイン?10の質問で今すぐセルフチェック
※今の状態を知ることで、自分に合った「休み方」が見えてきますよ。
50代からの時間は「余生」ではなく「黄金の時間」です
最後に。
人生100年時代と言われる今、50代は折り返し地点に過ぎません。
これからの時間は、何かの余りである「余生」ではなく、あなたが主役になれる「黄金の時間」です。
誰かのためではなく、自分のために時間を使う贅沢
これまでは、誰かのスケジュールに合わせて生きてきたかもしれません。
でもこれからは、あなたが「やりたい」と思った瞬間に、やりたいことができるのです。
そのための第一歩が、今日の「暇つぶし」探しなのかもしれません。
孤独や不安を感じたら一人で抱え込まないで
もし、暇な時間が苦痛で、孤独感や不安に押しつぶされそうになったら、いつでも「たまお悩み相談室」を頼ってください。
鍼灸で体を整えるもよし、カウンセリングで心の重荷を下ろすもよし。
あなたは一人ではありません。
今日という日が、あなたにとって心穏やかな一日になりますように。

