「どうしても自分のことが好きになれない」
「ダメなところばかり目について、自分を受け入れられない」
毎日、そんな苦しい思いを抱えていませんか?
ふとした瞬間に襲ってくる自己否定感。周りの人がみんな輝いて見えて、自分だけが取り残されているような孤独感。自分を受け入れられない苦しみは、まるで出口のないトンネルの中にいるように感じるかもしれません。

でも、まずはこれだけ伝えさせてください。
「自分を受け入れられない」と悩むのは、あなたがダメな人間だからではありません。
むしろ、あなたが「もっと良くなりたい」「より良く生きたい」と真剣に人生に向き合っている証拠でもあるのです。
この記事では、心理カウンセラーの視点から、なぜ自分を受け入れられないのかという心理的な原因と、少しずつ自分と仲直りしていくための「自己受容」のヒントをお話しします。
無理に自分を愛そうとしなくて大丈夫です。まずは、こわばった心を少しだけ緩めていきましょう。

たま先生
『たま お悩み相談室』代表カウンセラー / 鍼灸師
『たま お悩み相談室』の代表として、夫婦関係・人間関係・人生の悩みなど、誰にも言えない気持ちに寄り添いながら、一人ひとりが“自分を大切にできる生き方”をサポートしています。
著書『40歳からの幸せの法則 ― 自分ファーストで心も時間も自由になる』
FM845にて10年以上、ラジオパーソナリティを務める
SNS総フォロワー数:3万人以上
Voicyにてラジオ配信中
- 1. 「自分を受け入れられない」という悩みは、実は向上心の裏返し?
- 1.1. そもそも「自分を受け入れる(自己受容)」とはどういうことか
- 1.2. 自己否定してしまう自分を責めなくていい理由
- 2. なぜ自分を受け入れられないのか?主な3つの原因
- 2.1. 完璧主義で「あるべき姿」の理想が高い
- 2.2. 過去の失敗体験や他者からの評価による自信喪失
- 2.3. 幼少期の家庭環境や親子関係の影響
- 3. 自分を受け入れられない人の特徴と陥りやすい思考の癖
- 3.1. 無意識に他人と比較して劣等感を抱いてしまう
- 3.2. 0か100かで物事を判断する「白黒思考」
- 3.3. 自分の長所よりも短所にばかり目がいく
- 4. 自分を受け入れられない苦しさを手放す「自己受容」の5ステップ
- 4.1. ステップ1:今のネガティブな感情を「紙に書き出す」
- 4.2. ステップ2:「~すべき」という自分ルールに気づく
- 4.3. ステップ3:減点法ではなく「できたこと」を見る加点法へ
- 4.4. ステップ4:短所を「長所」としてリフレーミングする
- 4.5. ステップ5:自分自身を「大切な親友」のように扱ってみる
- 5. どうしても自分を受け入れられないときは「たま お悩み相談室」へ
- 5.1. プロのカウンセラーと話すことで得られる客観的な視点
- 5.2. オンラインカウンセリングで「ありのままの自分」を話す練習を
- 6. 自分を受け入れられない時期があっても大丈夫。少しずつ前に進もう
「自分を受け入れられない」という悩みは、実は向上心の裏返し?

「自分を受け入れられない」という感情は、とてもネガティブなものに感じられますよね。でも、心理学的な視点で見ると、少し違った側面が見えてきます。
そもそも「自分を受け入れる(自己受容)」とはどういうことか
よく「自己肯定感を高めよう」「自分を愛そう」と言われますが、これらはハードルが高いと感じることはありませんか?
実は「自己受容」とは、「自分を大好きになること」ではありません。
自己受容とは、良い部分も、ダメな部分も、「今の自分はこうなんだな」と、ただ事実として認めることです。
- 仕事ができる自分も、自分。
- 朝起きるのが苦手な自分も、自分。
- つい他人と比べて落ち込んでしまう自分も、自分。
「良い・悪い」のジャッジ(判断)をせず、「ま、今の自分はこんなもんだよね」とフラットに認識する状態。これが自己受容のスタートラインです。
自己否定してしまう自分を責めなくていい理由
自分を受け入れられない人の多くは、「今のままの自分ではいけない」という強い思いを持っています。
これは裏を返せば、「もっと素敵な自分になりたい」「理想の自分に近づきたい」という高い向上心を持っているということでもあります。
どうでもいいと思っていることに対して、人は悩みません。
あなたが自分を責めてしまうのは、それだけ自分自身の人生に期待し、諦めていないからこそなのです。だからまずは、「悩んでしまうほど、私は一生懸命なんだな」と、そのエネルギーを認めてあげてくださいね。
なぜ自分を受け入れられないのか?主な3つの原因

では、なぜそこまで強く「今の自分」を否定したくなってしまうのでしょうか。心理カウンセリングの現場でよく見られる、主な3つの原因を紐解いていきましょう。
完璧主義で「あるべき姿」の理想が高い
真面目で責任感が強い人ほど陥りやすいのがこのパターンです。
自分の中に「こうあるべき」「こうでなければならない」という高い理想像(ハードル)を持っています。
- 仕事はミスなく完璧にこなすべき
- 誰にでも優しくあるべき
- いつも笑顔でいるべき
この理想像と、現実の自分とのギャップ(距離)が開けば開くほど、「自分はダメだ」という自己否定感が強まり、今の自分を受け入れられなくなってしまいます。
過去の失敗体験や他者からの評価による自信喪失
過去に大きな失敗をして恥をかいたり、誰かにひどい言葉を言われたりした経験が、心の傷(トラウマ)として残っている場合があります。
「あの時あんな失敗をした自分は、能力が低い」
「親や先生に否定された自分には、価値がない」
過去の特定の出来事に対する評価を、自分の「人格すべて」への評価として広げてしまっているのです。過去の古傷が、現在の自分を受け入れる邪魔をしている状態と言えます。
幼少期の家庭環境や親子関係の影響
私たちの自己イメージの基礎は、幼少期の親子関係で作られることが多いです。
もし子供の頃に、
「テストで良い点を取った時だけ褒められた」
「良い子にしていないと愛されなかった」
という「条件付きの愛」を受けて育った場合、「ありのままの自分には価値がない」と思い込んでしまうことがあります。
「何かを達成しないと受け入れてもらえない」という無意識の刷り込みが、大人になった今も「今のままの自分」を受け入れることを拒んでしまっているのかもしれません。
自分を受け入れられない人の特徴と陥りやすい思考の癖

自分を受け入れられない悩みを持つ人には、いくつかの共通した「思考の癖(考え方のパターン)」があります。これに気づくだけでも、少し気持ちが楽になることがあります。
無意識に他人と比較して劣等感を抱いてしまう
SNSなどで他人のキラキラした生活を見ては、「それに比べて自分は……」と落ち込んでいませんか?
他人の「一番良い場面」と、自分の「内側の苦しい部分」を比べてしまっているのです。これは不公平な比較なのですが、無意識のうちに自分を劣った存在として位置づけてしまいます。
0か100かで物事を判断する「白黒思考」
物事を「成功か失敗か」「敵か味方か」「善か悪か」の二択で考えてしまう癖です。
99点取れていても、1点のミスがあれば「0点と同じだ」と自分を全否定してしまいます。間のグレーゾーン(あいまいで程よい状態)を許容できないため、常に緊張状態で自分を追い込んでしまいます。
自分の長所よりも短所にばかり目がいく
人間には誰しも長所と短所があります。しかし、自己受容が苦手な人は、虫眼鏡で拡大するように自分の短所ばかりを見つめてしまいます。
一方で、人から褒められた長所については「お世辞だろう」「たまたまだ」と受け取らず、スルーしてしまう傾向があります。これを心理学では「マイナス化思考」と呼びます。
自分を受け入れられない苦しさを手放す「自己受容」の5ステップ

ここからは、日常の中で少しずつできる、自己受容のための具体的なトレーニングをご紹介します。一気に変わろうとせず、できそうなものから試してみてください。
ステップ1:今のネガティブな感情を「紙に書き出す」
モヤモヤした感情は、頭の中で考えているだけだとどんどん膨らんでしまいます。
「辛い」「悔しい」「自分なんて嫌いだ」
そんな汚い言葉でも構いません。ノートや紙に書き出して、感情を外に出しましょう(外在化)。書くことで、自分を客観視するスペースが生まれます。
ステップ2:「~すべき」という自分ルールに気づく
書き出した悩みの中に、「~すべき」「~してはいけない」という言葉はありませんか?
もし見つけたら、その語尾を「~したほうがいいけど、できなくても死ぬわけじゃない」と言い換えてみてください。自分を縛っている厳しいルールを、少しだけ緩めてあげる練習です。
ステップ3:減点法ではなく「できたこと」を見る加点法へ
理想の100点からマイナスしていく「減点法」をやめて、0点から積み上げる「加点法」に切り替えましょう。
「今日も朝起きられた(+1点)」
「仕事に行った(+1点)」
「この記事を読んでいる(+1点)」
当たり前に思えることでも、実はあなたが頑張って行っていることです。
ステップ4:短所を「長所」としてリフレーミングする
性格は表裏一体です。自分の嫌いな部分を、別の言葉で言い換えてみましょう(リフレーミング)。
- 「優柔不断」→「思慮深い、慎重」
- 「飽きっぽい」→「好奇心旺盛、切り替えが早い」
- 「傷つきやすい」→「感受性が豊か、人の痛みがわかる」
短所だと思っていた部分は、実はあなたの才能の一部かもしれません。
ステップ5:自分自身を「大切な親友」のように扱ってみる
もし、あなたの大切な親友が「私なんてダメだ……」と落ち込んでいたら、あなたはなんて声をかけますか?
「そんなことないよ、頑張ってるよ」と優しく声をかけるのではないでしょうか。
その優しさを、自分自身に向けてあげてください。「自分の一番の味方は、自分」です。
どうしても自分を受け入れられないときは「たま お悩み相談室」へ

ここまで自己受容の方法をお伝えしましたが、長年積み重ねてきた思考の癖や、深い心の傷を一人で癒やすのは、とても根気がいる作業です。時には、過去の辛い記憶と向き合うのが苦しいこともあるでしょう。
そんな時は、決して一人で抱え込まず、プロの力を頼ってください。
プロのカウンセラーと話すことで得られる客観的な視点
私たちカウンセラーは、あなたの話をジャッジせず、ただ「ありのまま」受け止めます。
「こんなことを言ったら引かれるかな?」と思うような黒い感情も、すべて吐き出して大丈夫です。第三者に話すことで、「自分はそこまでダメじゃなかったんだ」と、歪んでいた自己イメージが修正されることも多くあります。
オンラインカウンセリングで「ありのままの自分」を話す練習を
「たま お悩み相談室」は、オンライン専門のカウンセリングサービスです。
ご自宅のリラックスできる環境で、あなたのペースでお話しいただけます。
「自分を受け入れられない」という悩みは、カウンセリングのテーマとしても非常に多いものです。たま先生と一緒に、絡まってしまった心の糸を少しずつほどいていきませんか?
まずは「話を聞いてほしい」というだけでも十分な相談理由です。
自分を受け入れられない時期があっても大丈夫。少しずつ前に進もう
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
「自分を受け入れられない」。そう悩めるあなたは、裏を返せば、自分の人生をより良くしようともがいている、とても誠実で頑張り屋さんな人です。
今はまだ、自分のことが好きになれなくても大丈夫。
「今日は自分のことを責めなかった」。そんな小さな一歩から始めてみましょう。
あなたが少しでも、自分自身と優しい関係を築けるようになることを、たま先生は心から応援しています。


