「毎日がただなんとなく過ぎていく」
「このままでいいのか不安だけど、次に何をすればいいのか見えない」
ふとした瞬間に、そんな虚無感に襲われることはありませんか?
SNSを見れば、キラキラと輝いている友人や、夢に向かって邁進している同僚の姿。「それに比べて自分は……」と落ち込んでしまうこともあるでしょう。

実は、私の元に寄せられるご相談の中で、非常に多いのが「自分のしたいことがわからない」というお悩みです。就職や転職のタイミングだけでなく、ある程度キャリアを積んだ30代、40代の方からも深く切実な声として届きます。
この記事では、心理学の視点から「やりたいことが見えなくなってしまう原因」を紐解き、あなたの奥底に眠る「本音」を見つけるためのヒントをお伝えします。
自分探しの迷路は、一人で歩くと長く暗いものですが、出口は必ずあります。少しだけ肩の力を抜いて、読み進めてみてくださいね。

たま先生
『たま お悩み相談室』代表カウンセラー / 鍼灸師
『たま お悩み相談室』の代表として、夫婦関係・人間関係・人生の悩みなど、誰にも言えない気持ちに寄り添いながら、一人ひとりが“自分を大切にできる生き方”をサポートしています。
著書『40歳からの幸せの法則 ― 自分ファーストで心も時間も自由になる』
FM845にて10年以上、ラジオパーソナリティを務める
SNS総フォロワー数:3万人以上
Voicyにてラジオ配信中
- 1. 自分のしたいことがわからないのは「悪いこと」ではありません
- 1.1. 多くの人が陥る「やりたいこと探し」のプレッシャー
- 1.2. その悩みは「新しい自分」に出会うための準備期間
- 2. なぜ自分のしたいことがわからないのか?心理的な3つの原因
- 2.1. 「〜すべき」という他人の価値観を優先して生きている
- 2.2. 失敗への恐怖心が「好き」という感情をブロックしている
- 2.3. 日々の忙しさで「心の感度」が麻痺している
- 3. 自分のしたいことがわからない時に試したい5つの質問
- 3.1. お金や時間の制限が一切ないとしたら、明日何をしますか?
- 3.2. 子供の頃、時間を忘れて夢中になった遊びは?
- 3.3. これまでの人生で「嫉妬」を感じた相手は誰?
- 3.4. 「やりたくないことリスト」を作って消去法で考える
- 3.5. 今すぐできる「小さな好き」を日常に取り入れる
- 4. どうしても答えが出ない時は「誰か」と話してみる
- 4.1. 一人での自己分析には「思考の癖」という限界がある
- 4.2. 客観的な対話が心のブレーキを外すきっかけになる
- 4.3. 「たま お悩み相談室」であなたの本音を一緒に探しませんか?
- 5. まとめ:自分のしたいことは、動いた先に見つかる
自分のしたいことがわからないのは「悪いこと」ではありません

まず、あなたに一番にお伝えしたいことがあります。それは、「自分のしたいことがわからない=ダメなこと」ではないということです。
多くの人が陥る「やりたいこと探し」のプレッシャー
現代社会は、「夢を持つこと」や「やりがいのある仕事をすること」が美徳とされすぎています。「何か情熱を注げるものを持たなければならない」という強迫観念のようなプレッシャーを感じている人は少なくありません。
しかし、最初から明確な「やりたいこと」を持っている人は、実はごく少数派です。多くの人は、目の前のことをこなしていく中で、後から意味づけを見出しています。今のあなたに必要なのは、自分を責めることではなく、今の状態を認めてあげることです。
その悩みは「新しい自分」に出会うための準備期間
「わからない」と悩むのは、あなたが現状に満足せず「もっと自分らしく生きたい」「より良い人生にしたい」と願っている証拠です。どうでもいいと思っている人は、悩みさえしません。
心理学的に見れば、このモヤモヤ期は「サナギ」の状態。古い価値観を脱ぎ捨て、新しい自分に生まれ変わるための、とても大切な準備期間(インキュベーション)なのです。焦らなくて大丈夫ですよ。
なぜ自分のしたいことがわからないのか?心理的な3つの原因

では、なぜ自分の本音が見えなくなってしまったのでしょうか? 生まれつき意欲がないわけではありません。多くの場合、後天的な「心の蓋」が原因です。ここでは代表的な3つの心理的ブロックを紹介します。
「〜すべき」という他人の価値観を優先して生きている
「親が喜ぶから」「安定しているから」「世間体が良いから」。
これまでの人生で、そんな基準で選択をしてきませんでしたか?
周囲の期待に応えようとする「いい子」でいようとすればするほど、自分の「〜したい(WANT)」という声は、「〜すべき(SHOULD)」という大きな声にかき消されてしまいます。長年これを続けていると、自分の感情センサーが鈍り、何が好きだったのかさえ思い出せなくなってしまうのです。
失敗への恐怖心が「好き」という感情をブロックしている
「やってみて失敗したらどうしよう」「今さら始めて笑われないかな」。
そんな防衛本能が強すぎると、無意識のうちに興味を持つこと自体をやめてしまいます。
「好き」と自覚してしまえば、挑戦したくなる。挑戦すれば、傷つくかもしれない。それならば、最初から「興味がない」ことにしておこう——。これは、心が傷つかないようにするための、あなたの心の防御システムが過剰に働いている状態かもしれません。
日々の忙しさで「心の感度」が麻痺している
仕事や家事、育児に追われ、心身ともに余裕がない状態ではありませんか?
人間は疲労が蓄積すると、生命維持を最優先にするため、好奇心や意欲といった高次の機能をシャットダウンします。
「自分のしたいことがわからない」と嘆く前に、単に「休みが足りていない」だけというケースも非常に多いのです。まずは泥のように眠ることが、自分探しの第一歩かもしれません。
自分のしたいことがわからない時に試したい5つの質問

ここからは、錆びついてしまった心のセンサーを磨くための、具体的なアプローチをご紹介します。ノートとペンを用意して、直感で答えてみてください。
お金や時間の制限が一切ないとしたら、明日何をしますか?
「生活費はどうするの?」「家族がいるから」といった現実的な制約を、一旦すべて取っ払ってみましょう。
南の島で一日中本を読んでいたい? 有名なシェフの料理を食べに行きたい?
そこに現れるのは、抑圧されていた純粋な欲求です。たとえすぐに実現できなくても、その要素(リラックス、美食、非日常など)を日常に取り入れるヒントになります。
子供の頃、時間を忘れて夢中になった遊びは?
社会的な常識が身につく前の子供時代には、あなたの本質のヒントが隠されています。
ブロック遊びが好きだったなら「何かを組み立てる・作る」こと。
おままごとが好きだったなら「人との関わり・役割」に関心があるのかもしれません。
過去の熱中体験は、形を変えて現在の仕事や趣味に繋げることができます。
これまでの人生で「嫉妬」を感じた相手は誰?
実は「嫉妬」は、自分のやりたいことを教えてくれる優秀なコンパスです。
私たちは、どうでもいい相手には嫉妬しません。誰かを見て「いいなぁ」「悔しい」と心がざわつくのは、そこに「自分が本来やりたかったこと」があるからです。
誰に嫉妬したか? その人の「何」に嫉妬したか? を分析すると、隠れた願望が見えてきます。
「やりたくないことリスト」を作って消去法で考える
「やりたいこと」が出てこない時は、「絶対にやりたくないこと」を書き出してみましょう。
満員電車に乗りたくない、ノルマに追われたくない、人に指示されたくない……。
「嫌だ」という感情は「好き」よりもエネルギーが強く、言語化しやすいものです。「やりたくないこと」を避けた残りの部分に、あなたが無理なく生きられる場所があるはずです。
今すぐできる「小さな好き」を日常に取り入れる
壮大な「人生の目的」を見つけようとすると身動きが取れなくなります。
「今日はコンビニの新作スイーツを買う」「気になっていた映画を見る」など、ごく小さな「〜したい」を叶えてあげてください。
小さな願いを叶え続けることで、「自分の望みは叶うんだ」という自己効力感が回復し、徐々に大きな「やりたいこと」が見えるようになってきます。
どうしても答えが出ない時は「誰か」と話してみる

質問に答えてみても、やっぱりモヤモヤが晴れない……。
そんな時は、一人で抱え込まずに「対話」の力を借りてみてください。
一人での自己分析には「思考の癖」という限界がある
自分一人で考えていると、どうしてもいつもの思考パターン(思考の癖)にはまってしまい、同じ場所をグルグル回ってしまいがちです。「どうせ無理」「私なんて」という否定的なバイアスがかかっていることに、自分ではなかなか気づけません。
客観的な対話が心のブレーキを外すきっかけになる
人に話すことで、頭の中で絡まっていた糸がほどけていきます。
「あ、私こんなこと思ってたんだ」と、口に出してみて初めて気づく本音もあるでしょう。
利害関係のない第三者からの「それって、こういうことじゃないですか?」という客観的なフィードバックが、長年外れなかった心のブレーキを外す鍵になることもあります。
「たま お悩み相談室」であなたの本音を一緒に探しませんか?
もし、周りの人には相談しづらい、もっと深い部分まで掘り下げたいと感じているなら、ぜひ「たま お悩み相談室」を利用してみてください。
当相談室は、オンラインで気軽に利用できるカウンセリングサービスです。
私はプロのカウンセラーとして、あなたの話を否定することなく、じっくりと耳を傾けます。あなたが「自分のしたいことがわからない」原因がどこにあるのか、対話を通じて一緒に整理し、次の一歩を踏み出すお手伝いをさせていただきます。
無理に答えを出そうとする必要はありません。まずは「今のモヤモヤ」をそのまま吐き出しに来てください。
まとめ:自分のしたいことは、動いた先に見つかる
「自分のしたいことがわからない」という悩みは、あなたがより自分らしく生きるためのスタートラインに立ったというサインです。
- わからない自分を責めない
- 心理的なブロック(〜すべき、恐怖心)に気づく
- 小さな「好き」や「嫌い」から自分の輪郭を取り戻す
- 一人で行き詰まったらプロを頼る
やりたいことは、頭の中で考えているだけでは見つかりません。小さな行動や対話の積み重ねの先に、ふと「あ、これかも」と見つかるものです。
あなたの人生の主役は、あなた自身です。
「たま お悩み相談室」は、あなたがあなたらしい人生を取り戻す旅を、全力でサポートします。


